「ベスト・キッド:レジェンズ」自分を縛る自分からの解放
リメイク版が作られたのが2010年ですので、かなり前になりますね。
本作ではそのリメイク版とオリジナルの「ベスト・キッド」が合流します。
すなわちリメイク版のカンフーの師匠を演じたジャッキー・チェンとオリジナルでダニエル少年のラルフ・マッチオが本作に登場します。
それで「レジェンズ」というわけですね。
オリジナルの「ベスト・キッド」については最近では「コブラ会」というドラマシリーズがあったようで、こちらにラルフ・マッチオがダニエル役で出ているようです。
こちらにリメイク版が合流したということになります。
ご存知のように「ベスト・キッド」は原題は「Karate Kid」で空手を題材にしていますが、リメイク版はジャッキーが出ていることからもカンフーを題材にしています。
この違いをどうやって関連づけるのかと思ったら、ダニエルの師匠であるミヤギの先祖が中国に渡り、カンフーを学んでいたという設定が登場しました。
現在の日本の空手の源流である琉球空手も、カンフーに影響を受けているという話もありますから、あながち荒唐無稽という話ではありません。
今までの「ベスト・キッド」は素人の少年が空手やカンフーを学びながら成長していく様が描かれてきましたが、本作の主人公のリーは北京でジャッキー演じるハン師範からカンフーを教わっており、元々かなりの実力者です。
しかし彼はある事件(兄が殺された事件)からカンフーを封じていましたが、空手の大会に出場することになり、改めて空手を学び始めるというところになります。
今までは主人公は武術を通して、さまざまな物事には武術に通じる真理があることを学びます。
本作ではリーは自分を縛っているものから解放されることを学びます。
兄の事件もあり母親からはカンフーを禁じられます。
しかし、そのことだけが彼を縛り付けているわけではなく、本当に彼を縛っているのは自分自身の無力感なのだと思います。
しかし、ニューヨークの人々との交流を通じて、自分の力が人のために役立つことを再認識し、そしてそれこそが本当に自分がやりたいことであると、自分に素直になることを学ぶのです。
彼が学ぶのは自分自身の解放です。
主人公リーはカンフーの使い手ということもあり、序盤からアクション的な見せ所は多いです。
これは今までの「ベスト・キッド」シリーズとは違うところですね。
ストーリー自体は上記のような工夫はあるものの、少年の成長物語いうところもあり、突飛なところはありません。
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