「映画 仮面ライダーガヴ お菓子の家の侵略者」ポップな仮面の下に
現在佳境を迎えている「仮面ライダーガヴ」の劇場版です。
「ガヴ」はお菓子をモチーフとしていてポップなカラーリングが印象的な仮面ライダーですが、そのイメージとは裏腹に設定は最近の「仮面ライダー」シリーズの中でもかなりダークな部類に入ると思います。
ガヴが戦うのはグラニュートという異世界の住人ですが、彼らは人間を攫っては「闇菓子」というお菓子の原料にしているのです。
グラニュートにより人間は「人プレス」という圧縮された状態になり、それがグラニュート界の工場でお菓子の原料とされます。
当然、原料にされてしまうのですからその人間は死んでしまうわけです(人プレスの状態で救い出せれば、人間に戻せる)。
最近の「仮面ライダー」は時代の風潮からからあまり「死」を正面切って描いていませんでした(描けない)。
昭和の「仮面ライダー」では怪人にやられた一般人が溶けて消えるシーンがありましたが、このようなシーンも最近ではあまり見かけなくなりました。
そういう状況の中で「ガヴ」はかなり攻めているといいと思います(「クウガ」はさらに攻めていますが)。
今回の劇場版はテレビシリーズ以上に攻めている感じがしました。
映画では新たな異世界である、我々の世界に似たお菓子の世界が登場します。
ここはテレビシリーズの「ガヴ」よりもさらにポップな世界なわけなのですが、ここの世界が抱えている闇はそれ以上に深い。
この世界を支配するカリエスはガヴを参考にしてベルトを作り、自分の力としていました。
そのために彼はガヴを腹に植え付けた人間の子供育て、そしてガヴが大きくなった時にそれを切除して自分に装着するということをしています。
この描写は子供向けの映画としてもかなり攻めた表現になっていたと思います。
こういうことをするカリエスという敵は同情の余地なしの絶対悪だと思いますが、こういう敵も最近では珍しい。
現実の世界でも悲しいことに許し難い絶対的な悪意のある事件が起こったりします。
「ガヴ」にはそのような非人間的な絶対的な悪意に対する怒り、そして戦う覚悟がポップな世界観の裏に隠されているのだと思います。
これは現在大ヒットしている「鬼滅の刃」にも共通する要素かもしれません。
主人公ショウマは敵を倒す前に「二度と闇菓子に関わらないか、この場で俺に倒されるか」と聞きます。
そして敵が闇菓子に関わり続けるといった場合は容赦せず、相手を滅するのです。
「仮面ライダーガヴ」はポップな仮面の下に、悪を絶対に許さない激しい気持ちを隠しているのです。
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