「リロ&スティッチ」実写化する意味
オリジナルのアニメーション「リロ・アンド・スティッチ」が公開されたのは、2003年。
そのころはディズニーのアニメーションはほとんど見ていなかったため、オリジナルの知識はほとんどありません。
この数年、ディズニーは過去のアニメーションのヒット作の実写版をリリースしています。
これはある程度、ヒットが見込めるというマーケティング的な思惑があるのだと思います。
ただ「白雪姫」が大ドボンをしたように、その思惑も必ずしも叶えられるわけではないというのもこの最近の傾向です。
実写で作る場合も、そうする意味合いがきちんとあることが重要なような気がしています。
オリジナルが古い作品であれば現代的に再解釈するという意味合いもあるでしょうし、実写版ならではの画面のゴージャスさ(「アラジン」など)で魅せるというのもあるでしょう。
本作の場合はどうでしょうか。
まずスティッチなんですが、これはご存知のように宇宙からやっってきた遺伝子操作されたスーパー生物になります。
とってもアニメ的なキャラクターですが、これを実写版にしても毛並みなどはリアルになりますが、アニメ的であるのは変わりません。
昨今の3Dアニメーションのテクスチャがよりリアル感を持って描かれているので、なおさらそれらと実写版であるスティッチの見た目上の差が感じにくいのです。
「美女と野獣」でベルをエマ・ワトソンを演じたという明確な差がないということです。
その他のキャストについては、当然役者が演じているので、よりリアリティが増しているのは間違いありません。
オリジナルを見ていないため、オリジナルとストーリーを比較することはできませんが(とはいえ他のレビューを見ると概ねストーリーラインは同じらしい)、保護局とのやり取りやそれに伴うナニの感情などはよりリアリティを感じるものになっていたのではないかと思います。
ただそれもアニメーションだと伝わらないものであるかというとちょっと疑問でもあります。 そのためわざわざ実写にする意味合いというのが映像的に感じにくいと言わざるを得ません。
それとオリジナルは2003年なので、まだリメイク作品するとしても最近なので、大きく価値観などはその頃と変わっていないので、リメイクをして新たな切り口を提示するということでもなかったような気がしています。
前述しているように大きくストーリーラインは変わっていないようですので、この点でもわざわざ語り直す必要があるのかという気持ちになります。
これはストーリーが良くないとい言っているわけではなく、むしろ本作で語られているのは、普遍的な家族愛であり、それは元々の作品でも表現できていた(だからこそヒットした)のではないかということです。
最近のディズニーにあった昔ヒットしたアニメを実写化という流れは、「白雪姫」の一件で、一旦考え直されているようですが、実写化自体が悪いわけではありません。
考えなしに実写化するのが良くないのであって、実写化するのであれば、そこにやる意味を見出してやってもらいたいものです。
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