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2025年6月 7日 (土)

「かくかくしかじか」見えるモノをそのままに受け取る素直さ

娘が見に行きたいというので、一緒に行ってきました。 今までは一緒に行くのはずっとアニメばっかりだったのに、ストーリーものの実写を見に行きたいと言ったところに成長を感じたりして。
さて本作は東村アキコさんの自伝的な漫画を原作にしています。
漫画家を目指していた東村さんと、絵の師匠であった日高先生との交流を描いています。
日高先生は現代からするとほぼ絶滅してしまったような人物です。
映画を拝見すると東村さんはほぼ私と同世代。
私が学生だった頃は学園ものにしてもとにかく先生はアツかった。
「金八先生」にしろ「スクールウォーズ」にしろ。
生徒を思うからこそ、その行動は真っ直ぐで。
本作の日高先生もそれに通じるものがあると思います。
生きてきた時代から私はこういう先生の物語を見ると、割と心に響いてくるのですが、現代の子どもたちから見た時、こういう先生はどのように見えるんでしょうね。
今っぽくないと思うのか、それとも逆に新鮮に見えるのか。
うちの娘は、ラストではくすんくすんとしていたので、心には届いているようでした。
そして日高先生は、物事を純粋にそのまましか見れない人でもありますね。
アキコがつく幼稚な嘘にも素直に騙されてしまう。
生徒の一人をチンパンジーに例えてしまうのも、それは揶揄うという意図ではなく、ただ単にそのように見えたということだけで。
これはモノを見てそのままを写しとるという画家の目を持つからこそかもしれません。
裏の意図とかそういうことを見ることはできなくて、ただ目に見えるものをそのまま受け取る素直さというか、そういうところが日高先生にあるのかもしれません。 アキコにとってはその素直さも重いとも思え、逃げ出すように師匠から離れることもありましたが、その真っ直ぐさは彼女が夢を追うことの力ともなったのです。
映画としても非常に素直なストーリーで、真っ直ぐにメッセージが届いてきます。
故に終盤では心にも大きく響いてきます。
本作の監督の関さんの作品はあまり見たことがなかったですが、絵作りが綺麗な印象です。
決して奇抜ではないのですが、画のレイアウトとかキーアイテムの使い方とか上手ですね。
公開前に出演者に関する報道でゴタゴタしていましたが、作品としては素直に感動できるものとして仕上がっていると思います。

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