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2025年1月19日 (日)

「室町無頼」今までにない時代劇ヒーロー

時代劇好きなんですが、映画化やドラマ化される時代というのはかなり限られています。
戦国時代や幕末などのドラマチックな要素がある時代が取り上げられやすいと思います。
最近でこそ、NHKの大河ドラマで平安時代や鎌倉時代、江戸時代中期が取り上げられていますが。
本作で取り上げられるのは、室町時代。
この時代を扱っている映画は、個人的にあまり記憶にないですね。
本作が舞台となるのは室町時代末期、天変地異や飢饉が起こり、人々がどん底のような暮らしを強いられている時代です。
多くの民が餓死し、世の中が荒れ果てていました。
世情が荒れる中、次第に幕府の威光は翳り、次第に大名たちが力を持つようになり、最終的には応仁の乱が起こり、戦国時代へと時代は移ります。
この世紀末的描写は本作でも冒頭から描かれており、まさに世紀末といった様相です。
スタッフたちは企画の時から「マッドマックス」や「北斗の拳」をイメージしていたということです。
民が搾取され地獄のような苦しみに苛まれる中、各地で徳政一揆が発生します。
そのうちの一つ寛正の土一揆を指揮したのが蓮田兵衛という浪人、本作の主人公です。
まさに彼は弱き者のために立ち上がるヒーローです。
本作は画作りや音楽などからわかるように往年のマカロニウエスタンを意識しているように思いますが、それらに登場する流れ者の主人公のようでもあります。
兵衛を演じるのは大泉洋さん。
兵衛は役割的にはさすらいのヒーローなのですが、大泉さん自身とした飄々とした佇まいがかけ合わさって、独特なキャラクターとなっていると思いました。
飄々とした姿と切れ味鋭い兵法者としての顔が見られ、今までにない時代劇ヒーローとなっていたと思います。
本作のクライマックスは一揆となり、京都守護と一揆側との大人数の激突になります。
この大規模なアクションシーンは非常に力が入っていて見応えありました。
最近ではなかなか見られない規模感であったと思います。
さらには長回しなども多用しており、その場にいるような臨場感がありました。
兵衛に拾われ、一人前の兵法者として育てられた才蔵の1カット長回しのアクションシーンがありますが、これが大変カロリーがかかっているシーンで、息つく暇がありません。
当然カットはわからないように割っているとは思いますが、カメラが縦横無尽に動き回り、かつ才蔵を演じる長尾謙杜さんのキレがあるアクションは見事。
久しぶりに見応えのある時代劇アクションを見せてもらいました。

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