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2024年10月14日 (月)

「室井慎次 敗れざる者」いまさら感と前振り感

テレビドラマ「踊る大捜査線」は夢中になって見てました。
青島風のモッズコート購入したりして。
当時の刑事ドラマの定石をことごとく無視をして(いい意味で)、新しいスタイルを生み出したと思います。
「踊る大捜査線」は刑事もの、警察ものというジャンルではなく、お仕事ムービーなんじゃないかと思います。
お仕事ムービーは今は一つのジャンルとなっていますが、その先駆けとも言えるかと思います。
シリーズ開始してから27年経ちますが、今になって突然の「踊る大捜査線」のスピンオフが本作になります。
今までも映画やスペシャルドラマなどでこのシリーズのスピンオフは数々作られてきました(スピンオフというものが定着してきたのも本作の功績かも)。
ドラマ好きであれば、リンクやカメオなどで楽しめる要素はあるのですが、作品としてはやはりパワーダウン感は否めない印象です。
やはり「踊る大捜査線」はあの湾岸署のメンバーがあってこそなんだな、と。
なので、正直「いまさら感」は感じながら、本作を見にいきました。
まず説明しておくと本作は2部作となっています。
「敗れざる者」はその前編ということになります。
そういうことなので致し方ない部分はありますが、本作は非常に前振り感ばかりを感じてしまう印象です。
後編で事件が大きく動くのかもしれないですが、そのためのさまざまな伏線らしきものを張っているだけのように見えました。
そして起こっている事件も、過去の作品での出来事が伏線となっています。
ファンにはたまらないのかもしれないですが、正直、過去の遺産で食っているような印象も受けました。
また主人公の室井慎次という男がなかなか扱いにくい。
無口であり、自分の考えを自分から話す人物ではありません。
彼は青島のようなキャラクターに影響を受け、変わっていくことによって生きていくのだと思います。
本作ではそのような人物はいませんし、彼は諦念と後悔も含め、彼の生き方自体は揺るがない男です。
なのでドラマが非常に動きにくい。
そのためか、犯罪によって身寄りを失った子供たちが出てくるのだろうと思いますが、そのような活動をしようとすることにした室井の気持ちに触れられていないため、ドラマを動かすためというような機能が見え、とってつけた感がしてしまいます。
2時間淡々と過ぎていき、感情的な盛り上がりはあまり感じらません。
1本の映画としてはなかなか見れず、後編の前振りのような印象になったというわけです。
このモヤモヤは後編で解決するのでしょうか。
後半の予告的なものはポストクレジットで見れましたが、盛り上がるような印象はありました。
感じているモヤモヤが晴れることを望みます。

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