「ボルテスV: レガシー」同じ熱量
「超電磁マシーン ボルテスV」は1977〜78年にかけて放映されていたいわゆるスーパーロボットアニメ。
個人的には前作である「コン・バトラーV」の方が好きだったのだが、お年頃でこの辺りからスーパーロボットに興味を失った時期に当たるかと思います。
とは言いつつ、主題歌は歌えちゃったりするわけで、一通りは見ていたのでしょう。
さて本作はその「ボルテスV」をCGをふんだんに使った実写ドラマとしてフィリピンでリメイクした作品。
なんでフィリピンかというと「ボルテスV」は彼の地では何度となく再放送をされ、誰でも知っている日本のアニメとしての地位を確立しているのだそう。
知らなかった。
フィリピンのCGなんてどんなもんかいな、という疑問がありましたが、見てみるとなかなかどうしてCGロボットパートはなかなかに見応えがあります。
ここまで技術レベルが上がっているのかと驚きました。
「パシフィック・リム」の影響をもろに受けている感じで、大地を揺さぶる重量感が感じられます。
ボルテスV自体もオリジナルのデザインを残したまま現代的にリファインされていてかっこいい。
ちょうど「マジンガーZ INFINITY」のような感じのアレンジ具合ですね。
元々スーパーロボットなので、あまりリアルにリファインしても良さがなくなってしまうところですが、その辺りの匙がげんもわかっているな、という印象です。
垂涎ものはやはりボルトインのシーン(合体シーン)でしょう。
5つのメカが次々に合体し、巨大ロボットになるシークエンスは男の子なら必ず興奮することは間違いなし。
ああ、このスタッフで「コン・バトラーV」の「レッツ コンバイン」もやってほしい・・・。
ストーリーはベタと言えば、ベタ。
本作はフィリピンではドラマシリーズとして展開されていて、現在公開されているのはその劇場公開用に編集されたもの。
おそらくテレビシリーズの導入数話分をまとめたものだと思われるので、構成はどうしても物足りないところがあります。
ただベタさも含め、私が子供の頃らしい香りがするとも言えます。
そういった雰囲気や、わかっているなという感じがするのはフィリピンの制作者たちが子供の頃から「ボルテスV」に親しんでいたことが大きいのでしょう。
フィルムから熱量が伝わってきます。
見終わった後、劇場で席を立つと、ほとんどの観客は私と同世代(想定50代)。
あの頃子供だった人たちですね。
スタッフと同じく、観客も同じ熱量を持っておりました。
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