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2024年8月16日 (金)

「もしも徳川家康が総理大臣になったら」自分に期待しろ

正直、見る前は色物だと思っていたのですが、意外にも現代政治へのアンチテーゼとも言える作品でした。
本作では我々も経験したようなコロナ禍の中、総理大臣や閣僚が次々に罹患して死亡。
その後、後継の政権としてAIによって過去の偉人たちを復活させ政治を行わせるという奇策が打たれたのです。
すなわち、総理大臣に徳川家康、財務大臣は豊臣秀吉、経済産業大臣に織田信長。
その他にも坂本龍馬、紫式部、北条政子、足利義満、聖徳太子、徳川吉宗に徳川綱吉、といういずれも歴史に名を残した偉人たちが閣僚となり、政治に辣腕を振います。
彼らが行う政策は奇策ではありません。
パンデミックを防ぐための都市封鎖、それにより収入がなくなった人々に向けての大規模な給付金。
その資金の一部は企業に背負わせ、また食料自給と職を増やすために農業振興を行う。
大胆ではありますが、奇策ではありません。
しかし、これには国民それぞれに痛みが伴います。
現実の政治ではこのようなことは行えません。
痛みを真摯に説得できる政治家もいなければ、それを理解しようとする選挙民もいません。
野党はただ反対のための反対をしているだけで、代案を出すことはありません。
政治家が見ているのは国民の顔色で、国民は考えることを放棄して政治家に丸投げをしています。
どうしてこうなってしまったのでしょうか。
本作の中で「自分に期待しろ」というセリフが出てきます。
人々は圧倒的な現実、出来上がってしまったシステムを前にして無力感を持ち、何か課題があっても、自分の力ではどうにもならないという諦念を持っているのかもしれません。
それだからこそ、人まかせになってしまう。
人に任せて無責任になっているから、いくらでも文句は言えてしまう。
だから政治家は国民の顔色ばかり伺い、衆愚政治になっていく。
でもそれで国の良い舵取りができるとも思えません。
やはり国民一人一人が自分なりに考える、ということが必要なのですね。
「自分に期待しろ」という言葉は、自分が何を望んでいて、自分が何ができるのかということを考えるべきということです。
何も考えないから、他人がどうにかしてくれる、と他人に期待してしまうのです。
難しいことを考えられないかもしれないですが、どの人を選ぶのが良いのか、ということくらいは考えてもいいかもしれないです。
そんなことを考える機会を与えてくれた作品でした。
劇中で豊臣秀吉が言っていた「決める、任せる、責任をとる」は上に立つ者が持つべき、考えだなと思いました。
自分的にはこれは仕事でも実践しようと思いました。
勉強になりました。
彼ら偉人ジャーズのテーマソングが「大江戸捜査網」というのも笑いました。
これ、笑える人はある年齢以上ですよね。

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