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2024年8月15日 (木)

「フライ・ミー・トゥ・ザ・ムーン」私を月に連れてって

人類が初めて月に到達したアポロ11号の着陸映像がフェイクであるという都市伝説を聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。
本作はそんな都市伝説をもとに、実際にそのようなプロジェクトがアポロ計画の裏で進行していたらというお話。
スカーレット・ヨハンソンが演じる主人公ケリーは敏腕のマーケティングの専門家。
彼女は手段を選ばず、時には嘘を巧みに使いながら、人の心を誘導します。
嘘をつくのは、天涯孤独の彼女がそれしか生きる術がなかったからです。
もう一人の主人公コールはNASAのミッション責任者。
彼はプロセスを重要視します。
ロケット打ち上げは一つ一つのプロセスの積み重ねで成り立っており、そのどれかがうまくいかなければ、ミッションの成功は叶わないのです。
コールはアポロ1号の火災事故が起こったミッションにも関わっており、それが彼が手順を重視することにも影響を与えています。
ケリーと時には嘘をつくことも必要であると考えており、対してコールはたった一つの齟齬も許せない。
性格としては全く逆ではありますが、二人は互いに惹かれます。
そんな時、ケリーは政府関係者モーより米国の威信をかけたアポロ11号計画の裏で、もし月面着陸が失敗した時のために、フェイク映像を作るミッションを任されます。
入念な準備をして人が望む夢を作るこのミッションとはPR専門家としてのケリーの仕事の集大成とも言え、プロとしてやりがいのあるのものであったでしょう。
そして先に書いたようにいいように話を作って生きて来ざるを得なかった彼女の人生をも表しています。
しかし、そんな彼女は誠実に自分のなすべき事に向きあっているコールに惹かれ、そんな彼を騙していることに罪の意識を感じます。
コールの生き様は本当はケリーもそうでありたかった姿なのかもしれません。
彼女が嘘と真実、今までの生き様とありたい姿の中で揺れ動きながらも、アポロ11号プロジェクトと、フェイク映像プロジェクトが並行して進んでいく様は見応えありました。
陰謀論をベースにしたアイデアながら、60年台らしいポップさと全編包み込むコメディタッチが軽快さを生んでいて、気軽に見れる作品となっています。

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