「爆上戦隊ブンブンジャー 劇場BOON! プロミス・ザ・サーキット」自分のハンドルを握れ
「ゼンカイジャー」「ドンブラザーズ」「キングオージャー」と従来のスーパー戦隊シリーズの常識を覆したような作品が続いていました。
コロナ禍という前代未聞の状態の中で、新しい技術も取り入れながら、時代の閉塞感を打破しようという気概が、制作者にもあったのかもしれません。
コロナも落ち着き、平常が取り戻されてきた今年は、スーパー戦隊シリーズも、原点に回帰したような作品を送り出してきました。
それが「爆上戦隊ブンブンジャー」です。
このシリーズを見続けてきている自分としては、原点回帰なのですが、この2、3年でエントリーしてきた子供達には新鮮に見えるかもしれません。
主人公のレッドは頭脳明晰で、仲間を思う気持ちが強いリーダーシップを持つ、範道大也、ブンレッド。
最近のスーパー戦隊の中では、典型的なレッドなキャラクターですね。
他のブンブンジャーもそれぞれがプロフェッショナルな能力と個性があるメンバーが揃っています。
そういう意味では非常にスーパー戦隊らしい構成です。
ただ、今の時代を表しているなと思える部分もあります。
大也は「自分のハンドルを握れ」というセリフをしばしば言います。
これは自分自身がやりたいことを考え、実行していくのが、自分の人生であるということです。
この時代、さまざまな情報が溢れていて、非常に流されやすい。
大也はリーダーではありますが、メンバーのそれぞれの個性を非常に大事にします。
そしてその個性をいかに発揮させることができるか、そしてそのメンバーがイキイキと活躍できるのか、ということを考えています。
これは今の時代の理想の上司像にも通じるものがありますね。
子供たちも流されやすく、人と違ったことをやりたがらない。
おとなよりも同調圧力が強いのではないかと思うほど。
本作はそれぞれが違ってていい、ということを伝えてくれているようにも思います。
ちょっと話題が映画から離れてしまっていますが、映画の方は尺もちょっと短めなので、テレビシリーズの一つのお話、といった体です。
本作に登場する惑星トリクルの王女二コーラも自分の生き方を決められなかった少女です。
彼女はブンブンジャーと出会い、自分がやるべきと考える人生を歩み始めます。
最近の中では王道なスーパー戦隊である、「ブンブンジャー」。
子供達にはどんなメッセージが伝わるでしょうか。
個人的に好きなキャラクターはブンオレンジ。
大人の余裕を感じさせるキャラクターが新鮮です。
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