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2024年6月 9日 (日)

「猿の惑星/キングダム」繰り返される所業

リブートされた「猿の惑星」シリーズ3部作に続く、第4作目です。
しかし、前作までの主人公であったシーザーは既に亡くなり、その死から300年が経過しています。
前作でもその予兆があった通り、人間はウイルスに犯され退化して野生化しており、変わって猿たちが地上の覇者となっています。
本作の主人公はノアという名のチンパンジーで、彼の種族は緑豊かな地で平和に暮らしていました。
一方、「キングダム」とタイトルにあるように、シーザーという猿が強権的な王国を築いており、彼は人類が残した遺産(兵器と見られる)を利用し、さらに覇権を広げようとしています。
これまでの3部作では人類VS猿の覇権争いが描かれていましたが、本作では人類の存在は後退し、エイプ同士の戦いが描かれます。
シーザーは人類の善良さも愚かさも知っていた指導者であり、彼はそれを踏まえて平和な世界を築こうとしていましたが、結果的はエイプの中でもかつての人類のような覇権主義の考えを持つ者たちが現れたわけです。
もはや、これは知能というのものは、いずれそのような道を歩まざるを得ないということを表しているのでしょうか。
人類が表舞台を退いても、エイプたちは同じことを繰り返しています。
シーザーがこれを知ったら、どう思ったでしょう?
ノアたち一族がシーザーの王国に移住させられ、強制労働させれられるのはバビロン捕囚のようでもあります。
主人公ノアは、シーザーに比べれば未熟で、猿の王国で自らも同族の仲間たちが虐げられる中、リーダーとして目覚めていきます。
本作はノアの成長譚とも言えるかもしれません。
本作は上記のようなエイプたちの争いが中心に描かれますが、その中で特異な存在がメイという女性で、ノアたちと行動を共にするようになります。
当初は他の人類と同様、退化し言葉を使えないと思われていましたが、実は言葉も操り、かつての人類と同様の高い知能を持っていることが明らかになります。
彼女は彼女の思惑があり、ノアたちと共に行動しており、それがエイプたちの戦いというストーリーに変化を与えています。
彼女の思惑とは何なのか、何のために行動しているのか、というのが、エイプたちとの戦いとは別のもう一方のストーリー上の牽引力となっていると思います。
結果、エンディングでウイルスに侵されていないかつての人類の生き残った子孫たちが存在することが明らかになります。
メイは地球上の各コロニーで生き残った人類たちが、ネットワークで繋がるためのキーを探していたのでした。
人類たちはこれで反撃できる力を得るのでしょうか。
次回作では再び人類とエイプたちの戦いが描かれるのでしょうか。
新展開の期待がされますね。

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2024年6月 6日 (木)

「青春18×2 君へと続く道」人生は旅

2006年、台南で暮らすジミーは、大学受験に挑みつつ、小遣いを稼ぐカラオケ屋のバイトに勤しみ、友人と夜中までテレビゲームをして過ごすような、ごく一般的な青年でした。
そんな彼が、その夏、日本から来て台湾に滞在していたアミと出会い、恋に落ちます。
その恋が彼の人生の道筋を作りました。
アミはジミーに自分の夢を語ります。
その夢は彩りに溢れた鮮やかなものでした。
好きな絵を描きながら、世界中を旅していきたい。
それがアミの夢でした。
まだ夢を持っていなかったジミーにとって、彼女の夢はとても眩しく、それが彼女への想いを深くしていったのかもしれません。
しかし、彼の恋は実らず、アミが日本に帰らなくてはいけない時がやってきます。
二人が別れる時、アミとジミーは約束をしました。
二人が夢を叶えたら、また会おう、と。
この約束がジミーの生き方を決めたのです。
ジミーは夢を叶えるために邁進し、そしてその夢を果たしました。
そして、挫折します。
彼が夢を捨て、挫折した時、彼の人生を決めた約束を思い出し、そして初恋の人の母国を訪れる旅に出ます。
それは自分の人生を振り返る旅であったのかもしれません。
この物語は夢を失い日本を旅するジミーと、彼がアミと出会った日々が並行して描かれます。
そして、アミがどのような運命に向き合っていたのか、見ている我々は進んでいく物語の中で知ります。
そして、ジミーは彼女の死を夢を叶える前にすでに知ってしまったことも、観客である私たち知ります。
私がふと不思議に思ったのは、なぜジミーはアミのその後の運命を知っていたのに、彼女の故郷を直接訪れるのではなく、回り道をして行ったのだろうかということでした。
結末はわかっているにしても、その悲しい事実に向かい合う勇気がなかったからでしょうか。
それもあったのかも知れません。
彼の日本への旅は彼自身の生き方を見直す旅であったのでしょう。
そして彼の生き方を決定づけたのはアミの存在でした。
彼はアミの夢、異国の地を回って、人々と出会いたい、ということをなぞることにより、彼女の気持ちに触れたかったのかも知れません。
ジミーは日本を旅する中で、様々な出会いを経験します。
その出会いにより、ジミーはアミを、そして自分自身を、深く感じ、考えるようになりました。
彼はその出会いにより、癒されていったのです。
それはかつてアミが台湾で経験したことだったのかもしれません。
ジミーはそのような出会いを経て、彼女の故郷に辿り着きました。
彼が知りたかったけど、知るのも怖かったのが、アミが台湾を訪れ、そしてジミーと出会ったことが、彼女を幸せにすることができたのか、ということだったのだと思います。
彼女が最後に描いたスケッチを彼は目にし、彼女の最後の時間の中で、台湾の日々がとても眩しく描かれていたことを知ります。
彼女は世界中を回ることはできなかったけど、台湾で素晴らしい出会いを得ました。
それは彼女の人生は短かったけれど、彼女は夢を叶えられたのかもしれません。
ジミーは夢を叶える途中で、アミの死を知り、少し脱線をしてしまったのかもしれません。
ただ彼の人生はまだ続きます。
アミのスケッチを見たことにより、再び彼は自分の夢を叶える人生の旅のスタートに立ちました。
まさに、人生も旅、なのですね。

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