「FLY! / フライ!」イルミネーションらしさとは?
ミニオンズのイルミネーションが送るオリジナルアニメーション「FLY!/フライ!」です。
ディズニー、ピクサーなどブランドで売れるアニメーションスタジオがありますが、イルミネーションも新興でありながらブランド名で売れるようになってきましたね。
同じようにブランドで客を呼べるこれらのスタジオですが、作風は違います。
ディズニーは長年培われてきたストーリーテリングですし、ピクサーはやはりユニークな目の付け所と切り口、頭一つ抜き出た映像のクオリティですが、イルミネーションはそれらとは異なります。
イルミネーションの作品はいずれもスラップスティックなおかしさを持っています。
これは私のような世代だとある種の懐かしさもあり、子供の頃見ていた昔のアメリカのアニメーション(「トムとジェリー」や「チキチキマシン猛レース」とか)のドタバタギャグと同じような匂いを感じるのですね。
本作でもニューヨークの場面で、ハトが何度も何度も車にぶつかってしまうというギャグありましたが、ここでは私も娘もゲラゲラと笑ってしまいました。
この子供もゲラゲラ笑うというような要素は最近のディズニーやピクサーではあまりないですよね。
そういう点では、イルミネーションの作品は小さな子供が笑って楽しく見れるという点で他のスタジオとは異なる独自のポジションを築いているとも言えるかと思います。
とはいえ、ストーリーについてもシンプルにわかりやすいけれども、飽きないように組み立てられていると思います。
本作は安全安心のために自分のテリトリーから踏み出せなかった主人公が、冒険に踏み出して自分自身を解放して喜びを見つけていく物語です。
ピクサーは心の奥深くまで沁みるように考え抜かれているもので、小さな子供だとその意図まではわからないかなとも思うのですが、本作などはわかりやすいテーマなので、子供にもしっかりメッセージは届くかなと思います。
大人的には少々物足りなさも感じますが、子供と一緒に楽しむにはイルミネーションの作品はぴったりかもしれないですね。
吹き替え版で見たのですが、主人公の声を担当していた堺雅人さんが非常にうまくてびっくり。
演技も非常に上手い方ですが、声の演技も素晴らしいですね。
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