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2024年2月 6日 (火)

「アクアマン/失われた王国」飾れなかった有終の美

前作「アクアマン」が公開された頃、DCのユニバース(DCEU)は方向性を見失っていたように思います。
DCEUはザック・スナイダーが牽引してきていましたが、期待の「ジャスティス・リーグ」などが振るわず、MCUと比べて見劣りする様子がありました。
その中で、「ワンダーウーマン」や前作の「アクアマン」はユニバースとの連携にあまり比重を置かず、独立した作品として見て、充実感のあるものとなっていました。
「アクアマン」は公開時「海中のスター・ウォーズ」とも言われ、派手な戦闘シーンなどが見どころとされ、実際に目を引くようなスペクタクルが展開されました。
よくも悪くもザック・スナイダーは独自のテイストがあり、DCEUはそれに縛られていた感がありましたが、「アクアマン」ではその縛りはほとんど感じなかったように思います。
個人的にはMCUとは違う単体主義の方向性は悪くないと思っていましたが、結果的には再びDCはユニバース化へ舵を切り、ジェームズ・ガンにそれを託すこととなったのです。
その結果、本作「アクアマン/失われた王国」はDCEUの最終作となりました。
最終作として有終の美を飾れたかというと、それはそうではなかったような気がします。
監督はジェームズ・ワンで前作から変わらないのですが、前作ほどの圧倒的な映像の迫力は感じられませんでした。
ストーリーはわかりやすく、典型的なヒーローものの脚本で、無難にまとめられています。
「ワンダーウーマン」「アクアマン」「シャザム!」と単独主義になった頃のDC EUはストーリーもそれぞれにユニークで楽しめたのですが、最近の「ブラックアダム」「シャザム!の続編などもストーリーが陳腐であって、退屈な印象がありました。
本作についても同様の感想を持ちました。
「スーパーヒーロー疲れ」と言われながらも、個人的にはMCUは大きな流れがあり、それが作品それぞれの個性と相まって、惹きつけられるものがあると感じています。
対してDCEUは大きな流れもなく、個々の作品としてのパワーも落ちているため、非常に厳しいと言わざるを得ません。
リブートされる新しいユニバースが、その状況から脱するきっかけになれるのでしょうか。

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