「エクスペンダブルズ ニューブラッド」一つの時代の終わり
ビックネームなアクションスターたちが共演するというビックな企画「エクスペンダブルズ」、10年ぶりの新作です。
新作を作るにあたっては、スタローンが企画から離れたり、戻ったり、コロナがあったりといろいろあったようですね。
これまではスタローンの人脈からか、信じられないような出演者たちが集結するところが見どころの一つでしたが、本作に関しては、新たに加わったアクションスターとしては「マッハ!」のトニー・ジャー、「ザ・レイド」のイコ・ウワイスくらいでやや物足りない(二人はそれぞれ一級のアクションスターだが)。
元々このシリーズはアクション映画ファンとしては、かつてはライバル的な存在として競っていたアクションスターたちが共演をしている凄さを味わうメタ的な楽しさもあったりしたわけなので、それらの要素がなくなると普通のB級なアクション映画とあまり変わらなくなってしまう。
確かに、今回製作も務めるジェイソン・ステイサムのアクションは未だ健在で見所もあるのですが、それゆえ彼が出演している「いつもの」アクション映画とあまり違った印象に放っていません。
企画として元々持っていた魅力がないことに気づいているからか、終盤脚本的にはどんでん返し的なところが用意されているのですが、それも割とあからさまなので、驚きはありません。
むしろB級アクション映画ではよくある展開とも言えるでしょう。
このシリーズ、80〜90年代のマッチョなアクション映画の遺産で作っているようなものなので、それらを見ていた観客が歳を取ったり、そもそもそのようなアクションスターがいなくなったり(引退したブルース・ウィルスのように)すると、なかなか継続は厳しそうな気がします。
90年後半から00年代はこのような泥臭いアクションよりはスタイリッシュなものにトレンドは移っていったので、このシリーズに出てくれそうな人がいないのですよね(思いつくのはヴィン・ディーゼルとかしかいない)。
一つの時代がとうとう終わったということでしょうか。
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