« 「マイ・エレメント」豊かな感情を表現できる豊かなCG | トップページ | 「バービー」自分らしく生きる »

2023年9月 3日 (日)

「リボルバー・リリー」100%綾瀬はるかを堪能する映画

興行成績は振るわなかったようですが、個人的には楽しめました。
本作の舞台となるのは大正時代。
この時代は西洋と日本の文化が混じり合いながらも、まだそれぞれの色が濃密に残っている印象があります。
浪漫、耽美といった言葉がこの時代を形容するのに使われますが、明治や昭和とはまた異なったコスモポリタンな匂いがあるのが、この時代の特色なような感じがあります。
そのあたりは本作では主演の綾瀬はるかさんや他のキャラクターのファッションや、セットなどでとても丁寧に表現されていて、楽しめました。
大正時代は明治時代以降政府が取ってきた政策の歪みや、政治的な意見の対立、関東大震災などによる社会不安など社会に不穏な雰囲気が起こり始めたきな臭い時代でもあります。
繁栄していながらも先行きが濁っている不穏な印象が本作でも醸し出されていました。
本作で見どころといえば、主演の綾瀬はるかさんでしょう。
彼女は普段インタビューなどではほんわかしたような雰囲気の女性ですが、役に入るとその雰囲気は鮮やかに変わります。
コメディもシリアスもできますし、情緒深くも演じることもできながらも、アクション俳優ばりの体のキレがあります。
本作では彼女の素質を活かした役となっていると思います。
彼女が演じる主人公リリーは凄腕の元殺し屋です。
本作でもアクションシーンがいくつもありますが、目も見張るほどに体の動きが良い。
そしてさらにその時の彼女の表情が良いのです。
特に目が。
アクションをしている時の綾瀬さんの目力はなかなか他の女優さんでも敵う人はいないのではないでしょうか。
今回はノースリーブの衣装を着ながらのアクションシーンがありますが、敵と格闘するときに見える彼女の二の腕の引き締まり具合も素晴らしいなと思いました。
女性らしい柔らかさも感じさせつつ、鍛えられている肉体となっていました。
役のためにその動きを覚えて演じている、という感じではないのですね。
そして彼女の良さはアクションだけではありません。
主人公の情緒を綾瀬はるかさんは見事に演じていると思います。
リリーは過去の悲しい思いを背負って生きている女性です。
本作では失ってしまった我が子を彷彿とさせ、そして理由もなく離れていってしまった良人に関わる少年を守るというのが、彼女の任務となります。
元殺し屋なので、彼女は自分の感情を押し殺すことに長けています。
しかし、ほんの少し彼女の感情が現れてくるところもあり、そこも綾瀬さんは演じることができています。
そしてまたその感情を抑えて、最終決戦に挑む姿もクールでかっこいいのですよね。
本作は100%綾瀬さんを堪能する映画です。

|

« 「マイ・エレメント」豊かな感情を表現できる豊かなCG | トップページ | 「バービー」自分らしく生きる »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« 「マイ・エレメント」豊かな感情を表現できる豊かなCG | トップページ | 「バービー」自分らしく生きる »