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2023年8月13日 (日)

「映画 仮面ライダーギーツ 4人のエースと黒狐」仮面ライダー劇場版の難しさ

「仮面ライダーギーツ」の夏の劇場版です。
テレビシリーズの方はラスト前の佳境となり、先が読めない展開となっています。
今回の「ギーツ」のテレビシリーズは従来にも増して、一人の脚本家が年間書き切るという、大河ドラマの色が濃いのですが、こういう場合の劇場版はなかなかに立ち位置が難しい。
仮面ライダーの劇場版の方向性として、テレビシリーズのストーリーの合間に劇場版のエピソードが挟み込まれるという体をとるケース、テレビシリーズとは登場人物は同じでも別の世界を舞台にする場合(龍騎、555)があります。
劇場版は前者のケースが多く、本作もそのようなタイプの一つになっています。
どうしてもこのケースの場合は、テレビシリーズにあまり影響を与えないような独立した番外編となっているため、テレビシリーズが盛り上がっているほど、内容的に薄い感じがしてしまうことが多いです(「電王」はテレビシリーズとクロスオーバーするという特殊な作り)。
このケースで唯一うまくいっているのは「W」の劇場版だと思いますが、これはテレビシリーズが二話でワンセットの構造になっていたからかもしれません。
「ギーツ」はテレビシリーズがシリアスな展開を迎えているためか、劇場版は差を出すためか、ややコメディタッチとなっています。
主人公浮世英寿は劇場版はある未来人の干渉より、4人のエースに分解されてしまいます。
それぞれの英寿はテレビシリーズとは異なったキャラクターとなっていて、それが通常の英寿のキャラクターとギャップがあり、そこが本作のコメディトーンを出しています。
個人的にはテレビシリーズのシリアスなトーンが気に入っているので、劇場版のコメディトーンはやや違和感を感じました。
「ゼロワン」はコロナ禍の影響で半年遅れのタイミングで単独映画となりましたが、ストーリーもテレビシリーズの後日談となっていたおかげで、劇場版としても見応えのあるものとして仕上がっていました。
仮面ライダーの劇場版の難しさは、テレビシリーズが佳境を迎える寸前のタイミングで公開されるというところでしょう。

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