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2023年5月31日 (水)

「クリード 過去の逆襲」相手役の存在感

元々「ロッキー」シリーズのスピンオフとして始まりましたが、最新作「クリード 過去の逆襲」にはロッキー・バルボアは登場しません。
主人公のクリードも本作で一度引退し、後進を育てる立場となっており、もうロッキーシリーズというよりは、クリードシリーズと言ってもいいかもしれません。
アドニス・クリードはロッキーとは異なり、引退してもスマートで私生活は順風満帆のようです。
アドニスを演じるマイケル・B・ジョーダン自身がスタイリッシュな人物なので、これはしっくりします。
しかし、彼の前に幼馴染デイミアンが現れ、様子が変わります。
デイミアンはアドニスが天塩にかけて育てたチャンプに挑戦し、ダーティ・ファイトの末、彼を倒します。
このデイミアンを演じるのが、ジョナサン・メイヤーズ。
「アントマン」の最新作でヴィラン、カーンを演じました。
ジョナサン・メイヤーズはその厳しい風貌から独特の圧を持った俳優で、カーンを演じた時も存在感がありましたが、本作でもそれは変わりません。
スマートなクリードに対し、デイミアンはハングリーであり、かつ狡猾です。
デイミアンが刑務所に入っていた十数年に対してアドニスは負い目を感じており、そのこと自体をデイミアンもわかっていて、その気持ちを利用します。
狡猾さという点は、ロッキーシリーズ、クリードシリーズ通じてもあまりない相手役の特徴で、その点においてジョナサン・メイヤーズ演じるデイミアンは強い印象を残したように思います。
本作を監督したのは、主演でもあるマイケル・B・ジョーダンです。
ライアン・クーグラーによる一作目では長回しなども使った迫力のあるファイトシーンが見応えありました。
本作のファイトシーンは、試合中に二人だけが抽象空間にいるような演出もあり、不思議な感じもしましたが、これはマイケル・B・ジョーダンが日本のアニメにインスパイアされたところだとか。
個人的にはリアルなファイト感の方が好きではあるのですが、新鮮にも見えました。

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