「ダンジョンズ&ドラゴンズ/アウトローたちの誇り」キレのいいテンポの良さ
食わず嫌いですみません!
予告を見た時はよくあるファンタジー映画と思い、全く食指が動きませんでしたが、思いの外ネットでは評判がよく、ようやく見に行ってきました。
評判通り、想像以上によくできていて、非常に楽しめました。
そもそも「ダンジョンズ&ドラゴンズ」というのは、テーブルトークRPGというボードゲームです。
RPGというと「ドラゴンクエスト」とか「ファイナルファンタジー」を思い浮かべますが、その元祖と言っていいゲームです。
実際、劇中でもシーフ、バーサーカー、ソーサラー、マジシャン、パラディン(聖騎士)などRPGでお馴染みの言葉が出てきますが、その元ネタは「ダンジョンズ&ドラゴンズ」なんですね。
しかしゲーム原作の映画というのは、少数を除いて、外し気味の作品が多いのも確か。
その辺りも惹かれなかったところです。
本作の一番の良さと言えば、テンポの良さでしょうか。
このテンポの良さというのは2つ意味があって、一つはストーリー自体の進行が非常にさくさく進んでいくことです。
ファンタジー映画というのは、進行が遅いイメージがあります。
日常とは異なる世界を描くため情報量が多いというのもあるでしょうし、登場人物が多いということもあるでしょう。
その最たるものが「ロード・オブ・ザ・リング」シリーズで、面白いとは思いつつも、進行の遅さにイライラした覚えがあります。
それに対して本作は話の展開が非常に早く、良いテンポで見ることができます。
世界観についてもそもそもがこのようなファンタジーの元祖であるので、あまり説明する必要もないということもあるかもしれません。
また基本的にストーリーは主人公エドガンを中心に一本道を進んでいくので、迷子になることもありません。
もう一つのテンポの良さは編集です。
アクションシーンも多いですが、これらの編集が非常にキレがあります。
またそのキレはアクションだけでなく、本作の要素の一つのコメディ部分にも生かされており、特に墓場のシークエンスは編集が笑いに直結していたように思います。
このようにストーリーの展開の早さ、編集の小気味良さでストレスなく鑑賞できるというのが、本作の良さではないかと思います。
テンポよく進むということだと、キャラクターが描ききれていないかもと思う方もいるかと思いますが、意外とそうではありません。
本作はコメディ色が強く、登場するキャラクターもクセがある者が多いです。
主人公エドガン、彼とパーティを組むメンバーたちは主人公側と思えないほどの負け犬感が漂っています。
それぞれ過去の様々な経験により、自分に自信が持てなくなったり、人を信じられなくなったりしているわけですが、そのような彼らが一緒に旅を続ける中で、お互いに影響され、自信を取り戻していく様子が描かれます。
先に書いたようにストーリーとしては一本道なので、まさに彼らが自信を得ていく過程に寄り添っている感じもし、彼らへの思い入れがどんどん強くなっていく感じがしました。
エドガンは負け犬ながらもポジティブな気持ちを常に持っていて、彼が言ったセリフ「失敗したためことをやめたら、ほんとうに失敗する」はメモをしたくなるような名言だと思いました。
RPGというのは、パーティを組んで旅をしていくという形式が多いですが、まさに自分もパーティの一員となって彼らと旅している気分になれるように感じます。
本作は出演陣も意外にも豪華です。
主人公のエドガンのクリス・パイン、その相棒ホルガのミシェル・ロドリゲスがは見る前から認識していましたが、悪役(?)をヒュー・グラントが演じています。
またカメオでブラッドリー・クーパーが出てきて、びっくりました。
どこに出てくるかは、見てのお楽しみです。
あと、パーティの一人ドリックを演じていたのが、エイミー・アダムスではないかと一瞬思ったのですが、年齢的にちょっと合わない。
確認したらソフィア・リリスという別人でした。
しかしソフィアはドラマでエイミー・アダムスが演じた役の若かりし頃を演じたこともあるようで、やっぱりみんな似ていると思っているのですね。
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