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2022年12月21日 (水)

「アバター:ウェイ・オブ・ウォーター」段違いの映像表現

13年ぶりに公開される「アバター」の続編となります。
「アバター」はエポックメイキングな作品で、それまでもあった3DCG表現を1段も2段も超えさせた表現で観客を驚かせました。
当時の私の記事を見返してみると、それまでの3DCGとは異なり奥行き感を表現していたと書いていました。
本作ではさらに進化をしていて、空気感のようなものまでも描写できていたと思います。
本作の舞台は海となり、水中での表現もかなり多くなっているのですが、見事に表現をしていました。
海中は厳密には透明ではなく、非常に細かいプランクトンのようなものも漂っていますし、光の透過も空気中とは異なります。
自分の周りに水があるような空気感(変な表現ですが)を表現できているように思います。
また水中にあるものは水の圧力を受けているわけで、空気中とは違う動き方をします。
水の抵抗感のような質感もリアルに再現されていました。
前作が公開された頃は3Dムービー元年と呼ばれ、「アバター」以外にもかず多くの3D映画が作られました。
しかしその多くは通常のカメラで撮ったものをCGで立体視できるように加工したものが多かったように思います。
そのためか、3Dメガネをかけてみた時も、立体感を感じてもナチュラルさは感じにくかったかと思います。
その不自然さからか、見ていると非常に目が疲れるので、いつしか3Dか2Dかだったら2Dを選んで見るようになりました。
おそらく多くの人もそう思ったので、このところ3D上映はほとんど見かけなくなりました。
本作を見るにあたり、3Dにしようか迷いましたが、キャメロン監督がこだわっているので3Dで鑑賞をしました。
監督が執着しているだけあって、3D表現はまさにリアルで没入感が非常に強かったと思います。
水中のシーンでは先ほどの描写の見事さと3D視のナチュラルさで水の中にいるかと思うほどです。
これならばケチらずIMAX3Dで見ればよかったと思いました。
他の作品との格の違いを見せつけた表現力で、それだけでも一見の価値があるかと思います。
ストーリーについてはどうでしょうか。
3時間越えの作品ではありますが、ストーリーは非常にシンプル。
前作ではアバターの設定や惑星パンドラ、ナヴィの設定などを説明する必要がありましたが、本作ではその必要はありません。
そのためジェイクとその家族周辺の物語にフォーカスされています。
本作はストーリーありきというよりは、見せたいシーンのためにストーリーがあるような気がするほどです。
見せたいシーンであるアクションシーンは非常に見応えがあり、特に後半は息を吐く暇もないほどです。
その分、キャラクターの掘り下げなどは薄く、人物描写にはあまり深みを感じません。
元々キャメロン監督は深い人物描写はあまり得意ではないと思いますので、ある種の割り切りも感じます。
こういう作品でもストーリーとキャラクターも重視したいという方にはあまりお勧めできません。
どちらかというと映画の中に没入して、ナヴィたちと一緒にパンドラに居るという気分で見るのが良いでしょう。

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