「さかなのこ」男か女かはどっちでもいい
「南極料理人」の沖田修一監督がさかなクンの映画を撮ったということで行ってきました。
それも主演がのんさん。
のんさんがさかなクン???
そして作品の冒頭に「男か女かはどっちでもいい」との謎の言葉が。
のんさんが演じるのは魚が大好きなミー坊。
ミー坊の幼い時から物語が始まりますが、それを演じているのはどう見ても子役の女の子。
さかなクンのような魚好きな女の子の話なのね、と思って見ていて、学生時代のミー坊の話になっていよいよのんさんが登場。
ん?男子の学生服を着ているぞ?
顔は可愛い女の子なのに学生服。
一瞬ちょっと混乱をしました。
そこでようやく冒頭の言葉「男か女かはどっちでもいい」の意味がわかりました。
そういえば、幼い頃のミー坊はスカートではなく半ズボンを穿いていた。
まさに「男か女かはどっちでもいい」の言葉通りでこの物語に登場するミー坊は男でも女でもない。
最近、男らしさや女らしさといったステレオタイプ的な生き方に窮屈さを感じる人が増えてきています。
またオタクと言われる人々が市民権を得てきて、というよりリスペクトされる存在になってきていて、まさに「普通」って何?という時代になってきています。
私が育ってきた時代は、なるべく周りからずれないようにという日本人らしい同調圧力があるのが普通でした。
圧力を圧力と感じていなかったかもしれません。
そうすることが「普通」だと。
けれど本作のミー坊は好きなことをして生きていくことに迷いがないですし、そして周りの人々もそんなミー坊をリスペクトしています。
まさに男か女か、普通か普通じゃないか、などということは問題にもなっておらず、魚が大好きなミー坊を皆が大好きだということなんですよね。
今、以前よりはステレオタイプな見方は減ってきたとはいえ、まだまだ多くの場面でそのような見方は残っています。
本作はある種のファンタジーで、ミー坊とその周りの人々がいるような世間はまだまだないですが、このようにお互いにそれぞれが好きなことを大事にし、リスペクトしあえる世の中になるといいなと思いました。
私はこのブログの記事を見ればわかるように、特撮好きですし、ロボット好きなわけなのですが、社会人になった頃は好きとは言えなかったですものね。
「え、こいつオタクか」みたいな感じに見られるのはやはり嫌だったですし。
映画好き(これは嘘ではない)くらいでぼやかしていたりしてました。
今は若い人が会社に入ってくると、ゲーム好きとかアニメ好きとか堂々と言いますからね。
いい時代になったものです。
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