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2022年9月 3日 (土)

「TANG タング」親は子供によって育てられる

主人公の健は子供のまま成長を止めてしまったようなところがあります。
不幸な出来事があり、社会に出て、そして大人として責任を背負うことに恐れを持ってしまったのかもしれません。
弁護士の奥さんに収入の面でも、その他のことについてもおんぶに抱っこ。
奥さんからすれば、彼は夫ではなく、手のかかる子供のようであったのでしょう。
そんな健のところに突然現れたTANG。
記憶を失ったこのロボットは生まれたばかりの赤ちゃんのよう。
健と旅を続ける中で、TANGはまるで子供のように成長していきます。
このロボットは特殊なAIを持っており、そのため人の情緒を学習していくようです。
TANGは子供が親になつくように健に懐いていきます。
コーヒー好きな健のためになけなしの100円を持って買ってくるところは良い場面でした。
自分の子供もこういうようなエピソードありましたが、大好きな親のためにやってくれようとする気持ちが伝わってくるとギュッとしたくなりますよね。
子供からの愛を与えられることにより、親も子供に愛を与える。
このようなやり取りの中で子供の情緒は成長していきます。
TANGのように。
そして、子供と一緒に親も成長していきます。
自分のことですが、子供を持つまでは自分でもあまり子供好きではないと思っていました。
しかし、子供が成長していく過程のなかで、自分にも親としての自覚と愛情がどんどん深まっていくのですね。
不思議なものです。
同じように健にも変化が訪れます。
子供のようだった彼は、TANGと一緒にいる中で、このロボットに愛しさを感じるようになります。
何事からも逃げてきた彼は、さらわれたTANGを救うために自ら行動を起こします。
彼はTANGによって、親として、大人としての自覚が目覚め、成長していくのです。
成長した彼は、ようやく過去と折り合いをつけ、そして妻との関係にも向かい合う勇気ができました。
親は子供によって育てられる、と言いますが、まさにその通りですね。

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