「ジュラシック・ワールド/新たなる支配者」シリーズの集大成
前作「炎の王国」で今まで管理されていた恐竜たちが、人間社会に解き離れたことが示唆されます。
原作者のマイクル・クライトンが「生命は道を見つけ出す」と言っているように、人間がいくら管理していたとしても生命は隙間を見つけ出し、外へ広がっていこうとします。
それはこの「ジュラシック」シリーズで共通して描かれているテーマであり、本作はその思想の集大成となっています。
前作のレビューの際に、その続編は恐竜と人間の戦いとなり、人間の滅びが描かれるのでは無いかと考えました。
しかし、本作は予想に反して、人間と恐竜の共存が描かれていました。
それは今日的なテーマでもあると思いましたし、そもそも生命は他者を滅ぼそうなどとは思うわけはなく(そんなのは人間だけ)、生態系として良いバランスを見つけていこうとするものであるわけですから、理に適った展開であると感じました。
ラストシーンで、現在の地球の生物種と恐竜たちが共存していく世界が描写されます。
生命はバランスをとっていく。
生命の逞しさを描いていると感じました。
人間もそのような生命の一つ。
バランスの中で生きていく存在であるということをもっと自覚すべきですね。
遺伝子操作の功罪についても触れられています。
うまく使えば遺伝病の治療法への解決の道筋が見つけられる。
しかし、悪用すれば予期せぬ変種により環境のバランスが一気に崩されるかもしれない。
管理できると思い込まず、慎重に進めていく必要がありますね。
シリーズの集大成として、出演者も豪華です。
「ワールド」のクリス・ブラッド、ブライス・ダラス・ハワードに加え、「パーク」からサム・ニール、ジェフ・ゴールドブラム、ローン・ダーンが出演しています。
1作目から見ている自分としては感慨深いです。
恐竜とのチェイスなどは、さらにスピード感を出しながら、1作目からある手に汗握るドキドキ感は継続しています。
このドキドキする感じはやはり「ジュラシック」シリーズならではですね。
シリーズの幕引きを丁寧にしっかり行った作品だと感じました。
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