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2022年8月10日 (水)

「暴太郎戦隊ドンブラザーズ THE MOVIE 新・初恋ヒーロー」濃いキャラクターたち、楽しめます

前作「機界戦隊ゼンカイジャー」がそれまでのスーパー戦隊シリーズの集大成といった趣でしたが、それを次ぐ「暴太郎戦隊ドンブラザーズ」はスーパー戦隊のフォーマットをことごとく破り、新しさを全面に出して、可能性を一気に広げている意欲作となっています。
シリーズ当初は見ていて戸惑いもありましたが、キャラクターの濃さ、予期せぬ展開に、次第に病みつきになってしまいました。
その劇場版が本作となります。
通常夏映画は「仮面ライダー」と同時上映で、「スーパー戦隊」は30分弱ぐらいの尺となっており、テレビとほぼ長さは変わりません。
ですので今までは、映画ならではの特別な敵などを登場させるとどうしてもテレビシリーズに比べると慌ただしく、内容としても薄くなりがちでした。
本作はプロデューサー曰く、特別な敵と戦うといった映画ならではの展開は「仮面ライダー」に任せ、前座として賑やかに、あくまで「ドンブラザース」らしさを全面に出すということを狙ったそうです。
それはうまくいっていて、テレビシリーズと同様のはちゃめちゃな展開で楽しく見れました。
「ドンブラザース」の魅力は濃いキャラクターたちと書きましたが、その中でも特別にいい味を出しているのが、メンバーの一人であるオニシスターに変身する鬼頭はるか。
演じるのは志田こはくさんですが、なにしろすごくいい。
ポジションとしてはヒロイン役ではあるのですが、体を張っているというか、若いのに変顔も出し惜しみなく、稀有なコメディエンヌぶりを発揮しています。
今回は映画の中で映画を撮るという劇中劇の体となっていますが、その中での役も通常よりも輪をかけて崩してきてます。
本作はドンモモタロウこと桃井タロウが主役で間違いありませんが、主役を食うほどの存在感は素晴らしい。
男の子向けの「スーパー戦隊」でここまで女性キャラクターが存在感を出しているのは初めてではないでしょうか。
小さい男の子はどう受け取っているのでしょう。
こういうお姉さんは好きそうですけれどね。
最近のスーパー戦隊は脚本がスマートな作品が多い印象があります。
見やすいのは間違い無いのですが、ちょっと物足りない時もあります。
本作を担当しているのは井上敏樹さんで、ベテランだからこその従来からジャンプしたストーリーで毎回意表をつかれます。
はちゃめちゃな展開も「スーパー戦隊」シリーズの面白さでもあるので、そのようなDNAも大事にしていってほしいです。
無茶苦茶やってもストーリーとしては破綻していないのが、さすが大御所な感じです。

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