「バズ・ライトイヤー」 思っていたよりSF
アンディ少年のお気に入りのおもちゃである、バズ・ライトイヤーのフィギュア。
そのアンディが大好きだったバズの映画がこれ、「バズ・ライトイヤー」です。
・・・むっちゃ、SFじゃないの!
アンディって、小さいくせにかなりのSF好きなのね・・・。
「トイ・ストーリー」のイメージで本作を見にいくと、テイストの違いに戸惑うかもしれません。
古典的ではありますが、本作は「ウラシマ効果」を扱ったSF映画になりますので。
ウラシマ効果とはなんでしょうか。
光速に近いスピードが出せるロケットに乗っている人と、出発した場所の人では時間の進み方が異なり、ロケットに乗っている人の方の時間の進み方が遅くなるので、何年か後に出発地に帰ってくると、出発地では何十年も時間が過ぎていたというような話で説明されます。
これは相対性理論から導き出されます。
これは実際にも観測されていて高速で地球の周りを回っている国際宇宙ステーションの時計は地上と比べるとほんのちょっと遅れるということです。
本作にウラシマ効果が取り入れられたのは「ライトイヤー」という名前からでしょうね。
ライトイヤーは宇宙探査中、ある星で自分のミスで宇宙船を傷つけてしまい、そのため乗組員は故郷に帰れなくなってしまいます。
彼はその責任を感じ、光速に近いスピードで飛ぶことにより得られる特殊な物質(船のエネルギーになる)を得るため、フライトを重ねます。
しかし、先ほど書いたウラシマ効果により、彼以外の人々は彼が帰還するために歳をとり、そして亡くなってしまいます。
それでも彼は飛びます。
彼が負った責任を果たすために。
しかし、人々は次第に彼らが不時着した星を新たな故郷として、生活をし、定着し始めていました。
年月以外にもライトイヤーと他の人々の間では価値観にギャップができてきたのです。
そんな彼らのところに謎のエイリアン、ザークが現れたのです。
<ここからネタバレあり>
ザークこそ、未来のライトイヤーでした。
彼は自らの失敗をないことにし、乗組員を故郷の星に戻れるようにするために、時間を遡ってきたのでした。
彼もまた責任感で行動してきたのだと言えます。
しかし、乗組員の子孫たちは新しい故郷を見出しており、かつての星へ執着はしていません。
責任感という自らのエゴのため、今を生きている人々の幸せを犠牲にできるのか。
ライトイヤーは未来の自分と対決します。
むっちゃS Fですよね。
「トイ・ストーリー」のノリで観にきた方は面食らうに違いありません。
個人的には嫌いなストーリーではなかったのですが、「トイ・ストーリー」的なおもちゃっぽいデザインはちょっと合わないような気もしました。
この辺りのしっくりいかない感じが評価の低さにつながっているのかもしれません。
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