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2022年6月12日 (日)

「ハケンアニメ!」それぞれのリーダーシップ

映画やアニメの制作は集団芸術です。
その制作のトップにあるのはディレクター(監督)になりますが、集団芸術ゆえの困難さがあります。
学生の頃、映画サークルにいた時、一、二度短編映画の監督をやってみたことがありますが、正直自分には向かないなと思いました。
映画作品を作り上げるにはとても強いリーダーシップが必要であることに気づきました。
加えて自分の中にイメージする力があり、そしてそれをスタッフに伝える力が必要です。
自分に対して自信がないと、多くの人を動かすことはできません。
強いリーダーシップには、時には強引さも必要ですが、また相手に対するリスペクトも必要です。
独りよがりでは誰もついてこなくなりますし、自信がなければそれもまた誰もついてきません。
必要なのは思いの強さです。
本作では同じ時間帯に放映されるアニメを作る二人の監督がそれぞれ描かれますが、性格が全く異なります。
一人は天才と呼ばれる王子監督。
誰にも認められる才能があり、その才能を信じてチームが集まってきています。
チームのメンバーは彼を信じ苦しくても苦しくても付いていこうとしますが、その分、出来上がりに関しての責任は彼が背負わなければなりません。
これは集団芸術と言いながらも、非常に孤独であり、大きなプレッシャーに潰されそうになるかと思います。
私も仕事でCM制作に関わっていますが、大勢のスタッフがいる中で異なることを言うのは非常に勇気があります。
考えに考え抜いて発言しますが、そのプレッシャーたるや・・・。
王子監督は強いリーダーシップがあるようには思えませんが、彼を信じサポートして彼の代わりにチームをまとめ上げるプロデューサーがいました。
彼女無くして王子監督は作品を作り上げることはできなかったでしょう。
王子監督に対抗する新人は佐藤監督です。
彼女の場合はスタッフに信用される実績はまだなく、まずスタッフに彼女のやりたいことを理解してもらう必要があります。
彼女はなぜスタッフが自分が思うとおりにやってくれないか悩みますが、それも道理です。
まず彼女に必要なのはスタッフへのリスペクトです。
しかし、スタッフの言うことばかり聞いていると、次第にそもそもやりたかったことのイメージから乖離していってしまいます。
その上で、彼女のやりたいことを丁寧に伝えて、共通のビジョンをチームで共有していく。
それが必要です。
王子監督にしても、佐藤監督にしてもやり方は違えどそれぞれのリーダーシップを発揮しています。
そしてリーダーシップには自分の思いの強さが必要です。
思いがないと挫けてしまう。
それを改めて確認させてもらいました。
「サウンドバック」は面白そうな作品だと思いました。
ちょっと見てみたいですねー。

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