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2022年5月 5日 (木)

「とんび」子育ては繋がっていく

最近親子ものにはとことん弱い・・・。
事故によって妻を亡くし、男手一つで息子アキラを育て上げたヤッさんの物語。
ヤッさんはいかにも昭和な不器用な男ですが、子供のことを考え、一人前に育て上げました。
子供が成長するに従い、ぶつかり合うこともありますが、そのような中で子供と共に彼も成長していきます。
完璧でないところが、見ている自分も共感できますね。
うちの娘はまだ5歳なので「パパ、パパ」とくっついてきますが、もう5年も経てば距離を置かれてしまうのだろうな、とか考えて見てました。
親としての心得に触れている箇所もいくつかありました。
例えば、和尚がヤッさんに向かって言う「海になれ」という言葉は奥が深いですよね。
悲しみを子供の中に積もらせてはいけない、悲しみすらも飲み込んでしまう海のように親はならなければいけない。
親も人間ですから、かなり大変ではありますが、親となる覚悟を言ったものでしょう。
その後、ヤッさんはアキラに嘘を言いますが、それは全て息子のため。
そのことによりヤッさんは責められますが、全てを飲み込んでいる。
子供の時は親の苦労なんてさっぱりわかりませんが、大人になるとその時は大変だったんだろうと想像することは私もありました。
親の事業は割と大変だったようで、私が就職が決まった時、店を畳むと父親が言ったのです。
自分で仕事をするようになったんだから自分の手で生きろ、もう面倒は見ないから、ということでした。
私は逆にそこまで踏ん張って面倒を見てくれていたんだと思いました。
その父も亡くなってしまいましたが、ちゃんとお礼を言えてなかったな、と。
ヤッさんが自分を捨てた父親に会った時の場面も印象的でした。
恨みつらみを言うのではなく、彼が口にしたのは感謝の言葉でした。
ヤッさんは「生まれてさせてくれて幸せな人生をありがとうございました」と言ったのです。
決して彼の人生は平穏ではなかったことは見ている我々もわかります。
けれど、色々ありつつも息子を育て上げたことによる充実感はやはり何ものにも変え難い幸せなんですよね。
私も子供を育て上げた時、そのように感じられるといいなと思いました。
息子のアキラもその後、所帯を持ち、子供も生まれます。
彼の人生も波乱はありますが、それでもラストシーンからは彼もまた充実感を味わっているように感じました。
そうやって親から子へ、そこからまたその子へ、と繋がっていく。
親に感じた感謝を、親には返せなくても、子供に伝える。
それが繋がっていく。
子育てってそういうことかもしれないと思ったりもしました。

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