« 「ベルファスト」あの頃の分断 | トップページ | 「カモン カモン」 子供と過ごす時間 »

2022年4月 3日 (日)

「モービウス」SSUは食い足りない

コミックでスパイダーマンに対するヴィランとして有名なモービウスを主人公に据えた作品です。
「ヴェノム」などと同じくSSU(ソニーズ・スパイダーマン・ユニバース)に属する作品となります。
みなさんもご存知のようにSSUとMCUはスパイダーマンをハブとして世界観の共有がなされています。
予告でも「スパイダーマン ホームカミング」のヴィランであるヴァルチャーが登場していて、マルチバースがどのように展開されるか話題になっていました。
まず、作品の内容ですが、非常にシンプルな内容でMCUやSSUを見ていない方にはわかりやすいかと思います。
逆に言えば、MCUにどっぷり浸かっている自分としては物足りない。
最近のMCUはいずれの作品も内容がトリッキーなところがありますし、また別の作品とのリンクなども見所だったりするので、見応えがあります(一見さんにはしんどくなっているかと思います)。
また最近のDCはユニバースはあまり気にせず、キャラクターを深堀することにより、内容の濃い作品を作っていると思います(「ジョーカー」や「ザ・バットマン」など)。
それらに比べると「ヴェノム」も「モービウス」もSSUの作品群は食べ応えがない印象です。
この手のヒーロー映画を見ていると、結末まで十分に想像できる内容でしたし(ジャレッド・レトの演技は良かったとは思います)。
アクションシーンは評価高い意見も聞きますが、私は暗くて早いので、あまり様子がわからず少しフラストレーションがありました(「ヴェノム」もそういう印象)。
<ここからネタバレあり>
予告で話題になっていたMCUとのリンクに関してです。
ヴァルチャーが「博士云々・・・」と言っていたカット、そしてモービウスが逃亡している背景にMURDERER(殺人者)と書かれたスパイダーマンのポスターが貼ってあったという点については本編にはありませんでした。
これはちょっと不誠実な感じを受けました。
予告である場面が本編にはないということは他の作品でもありますが、「モービウス」に関しては観客が興味を持つ部分を予告に入れておいて、それが本編にはないというのはちょっとどうかと思います。
ヴァルチャーは今回の作品でも大きく関わるかと思いますが、ミッドクレジットまで登場せず、ほぼおまけの扱いです。
ミッドクレジットでは「スパイダーマン ノー・ウェイ・ホーム」にリンクするようなシーンがありますが、これもちょっと説明不足。
ヴァルチャーはMCUに属するキャラクターですが、どうもNWHのマルチバースのゴタゴタで、逆にSSUの世界に飛ばされてきた様子。
NWHにおいて世界を越えるキャラクターは一定の法則がありましたが、ヴァルチャーに関しては何の説明もありません(色々考察することはできますが)。
思えば「ヴェノム」に関しても作品中ではMCUとのリンクに論理的な説明はありませんでした。
どうもSSUはMCUに比べて世界の構築に関して、荒っぽい印象があります。
MCUのケビン・ファイギもチェックはしているかと思いますが、この辺りの距離感はマーベル・テレビジョンのMCU作品群と同じようなものを感じます。
破綻しないように祈ります。

|

« 「ベルファスト」あの頃の分断 | トップページ | 「カモン カモン」 子供と過ごす時間 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« 「ベルファスト」あの頃の分断 | トップページ | 「カモン カモン」 子供と過ごす時間 »