「ゴーストバスターズ/アフターライフ」 世代を越えて継がれる物語
2016年の「ゴーストバスターズ」はメンバーを全て女性にした形での「リブート」作品でしたが、本作は正当な続編という位置付けになります。
それもそのはず、プロデューサーは1、2作目で監督を務めたアイヴァン・ライトマンであり、監督はその息子のジェイソン・ライトマンとなっていますから(アイヴァン・ライトマン、亡くなってしまいましたね・・・)。
ストーリーも1、2作目を受けた形で、主人公の女の子はオリジナルメンバーのスペングラー博士の孫娘という設定です。
スペングラー博士を演じていたハロルド・ラミネスは亡くなっていますが、オリジナルメンバーのダン・エイクロイド、ビル・マーレイ、そして最後にシガニー・ウィーバーも登場します。
設定的には正当な続編ですが、テイストは監督の個性や時代性を含め、少し違ってはいます。
2016年の「ゴーストバスターズ」はオリジナルのテイストをなるべく活かす方向でのアプローチだったと思いますが、本作は焼き直しではなくジェイソン・ライトマンらしいテイストがあったかなと感じました。
オリジナルは80年代という時代性もあり、ポップでライトな感覚で、登場人物もキャラも立っていて気軽に見れるコメディというテイストでした。
ゴーストを扱っていながらもホラーな雰囲気はほぼなく、ライトテイストであることが新しく、かつ時代に会っていたのだと思います。
その分、登場人物の心情などはリアルというよりはキャラクター化されていたような印象が強いですね。
それに対して本作では登場する人物はオリジナルよりは現実に存在するような人として、心情についても深く描かれています。
特に印象深かったのは主人公フィービーの母親であるキャリーでしょうか。
彼女はスペングラー博士の娘でしたが、彼が研究に没頭するために捨てられたと思って生きてきていました。
しかしスペングラーは人知れず一人で再びズールーが復活しようとするのを防いでいたのです。
彼からすれば危険なところに家族を置いておきたくなかったのかも知れません。
本作で描かれる物語で、娘のフィービーがまるでスペングラー博士の生まれ変わりのように彼が成したかったことをやろうとします。
その中で博士が意図していたことにキャリーも気付きます。
最後にゴーストとしてスペングラーが現れ、自分の娘と気持ちのやりとりができたところはちょっとグッとくる場面でした。
ここはセリフがなかったのも良かったです。
CGだとは思いますが、ラミネスの表情も良かった。
キャリーだけでなく、フィービーについても内気な少女が祖父の軌跡を追いながら、成長していく様を描いていく様子も良かったです。
もちろん、オリジナルのファンも喜ぶ場面もちゃんと用意されていて、オリジナルメンバーが登場し、あのコスチュームでゴーストたちをキャッチする様子はなかなか痺れました(返す返すもラミネスがいないのが残念)。
とはいえ、次につながりそうなフリも用意されていて、次回作も期待したいところですね。
このところ「スパイダーマン」「ゴーストバスターズ」「アンチャーテッド」とソニーの作品ばかり見ているな・・・。
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