「仮面ライダー ビヨンド・ジェネレーションズ」 「お祭り」はもういい
今年の夏の「仮面ライダー」の劇場版は50周年ということと、今年の「機界戦隊ゼンカイジャー」がスーパー戦隊45作品目ということでコラボレートした「スーパーヒーロー戦記」という形で公開されました。
冬は単独の「仮面ライダー」作品ですが、50周年記念作品ということで、例年通り昨年の作品(セイバー)と今年の作品(リバイス)のクロスオーバー作品となっています。
周年記念作品となっていますが、平成も終わりそうな頃から「仮面ライダー」に関してはこれらの作品群をいろいろな角度から総括しようとする試みが劇場版ではなされていて、個人的にはこの様な形の周年記念は食傷気味に感じています。
現在オンエア中の「リバイス」のテーマは家族ですので、本作でも時代を超えた家族の絆、仮面ライダーの歴史が描かれていますが、これについても今までの「仮面ライダー」作品では何度かテーマになっており、新味がありません。
昨年の「ゼロワン」の劇場版は、コロナによって公開時期が冬にずれたため、例年のような新旧コラボ作品とはなりませんでしたが、その分完成された作品世界の中で突き詰めた形での劇場版だったため、とてもシャープな出来栄えとなっていたと思います。
新旧コラボ作品はどうしても異なる作品世界を融合させるところに無理があったり甘い部分が出てきてしまい、そこが子供騙し的な設定に感じられたりするものです。
「ディケイド」や「ジオウ」など作品そのものがメタな要素を持っている場合はそれも違和感がないのですが、「セイバー」「リバイス」だとあまりに違いすぎるため、それらが違和感なく併存する世界に違和感を感じてしまうのです。
周年映画だからお祭りだからいいじゃないということもあるかもしれませんが、それがたまにならまだ割り切れるのですが、公開作品が全てそのようなお祭り映画になってしまっている状況がちょっと良くないかなと感じています。
ちょっとインフレーションを起こしている気がするのですね。
ですので、同じく50周年記念と銘打ち制作が進行している「シン・仮面ライダー」や「仮面ライダー Black Sun」には期待しています。
半端にメタな展開でお祭り騒ぎをするのではなく、それぞれ原点を見つめ直すという視点で作られている様なので。
それらの作品も制作を進めているということで、東映もちゃんとわかっているとは思うのですが、本作のようなお祭り映画ばかりを作り続けていると、過去の財産だけ食っていく様な状態になっていくのではないかと心配してしまいます。
一時期「ウルトラマン」はその様な過去の財産だけで食っているような状態になってしまいました。
私はその頃から「ウルトラマン」からは離れていってしまいました(今はまた面白くなっている様ですが)。
新しいコンテンツを作り続けていくことにこそそのシリーズが生きていく道はあると思います。
「仮面ライダー」も歴史の長さに甘んじることなく、新しい驚きを見せていくということで生き抜いていってほしいと多います。
現在オンエア中の「リバイス」は昨年の「セイバー」とは異なりかなり脚本も面白く、先行きが見えない展開で毎週楽しみにしております。
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