「劇場版 きのう何食べた?」食事の大切さ
こちらの作品、知り合いがスタッフの一人なのでドラマ版からしっかりと見させていただいていました(知り合いは映画ではちらっと登場もしておりました)。
本作はドラマ版がヒットしたので、その映画化という話はすぐに進んでいたようなのですが、撮影の段になってコロナ禍となり一時制作がストップしていたようです。
無事に公開されて良かったです。
そしてコロナを経たことにより、本作のテーマがより強く感じられるようになったようにも思えました。
本作は「孤独のグルメ」のヒット以降作られている食をテーマにしたドラマの一つに位置付けられると思います。
しかし、その中で描かれている食事は高級料理でもなく、手の凝ったものでもなく、日常食です。
主に調理をするのは主人公の一人シローさんですが、彼が作るのは特売の食材と市販の一般的な調味料を使ったありきたりの料理です。
まさに日常食なのですが、それが本当においしそう。
高級店で食べる料理はもちろんおいしいのですけれど、こういう毎日の食事のおいしさにも幸せを感じますよね。
まさにこの2年近く皆が苦しんできたのは、コロナによって当たり前の日常がなくなってしまったことだと思います。
普段であれば遠くに住む親のところに行って、一緒にご飯を食べたりすることもできました。
けれど、ここ一年ほどは規制もままならない状況です。
大切な人と食事をできないこと、というのがいかにストレスかということを私たちは改めて認識しました。
当たり前すぎる日常の大切さを痛感しました。
主人公のシローとケンジは同性愛者です。
それが世間からどのように思われているかはわかりつつも、お互いにかけがえのない存在だと思っています。
劇場版では(お互い勘違いして)相手が病気で死んでしまうかもしれないと思ってしまいます。
想像してみてください。
本当に大事な人が突然いなくなってしまうかもしれない、ということを。
いかに当たり前の日常が大切であったかというのがわかると思います。
コロナでもたくさんの家族がそのような思いを感じたことでしょう。
私自身も昨年中等症でひと月弱ほど入院しました。
ずっと家族に会えず寂しい想いをしました。
毎日食事をとりますが、一人で食べる病院食は虚しいものでした。
家に帰ってきて、皆で食事をした時、こういう時が大切なのだと改めて思ったのです。
食事は毎日することなので、あまり気にしないこともあります。
けれど、ただ栄養をとるということだけでなく、大切な人と過ごす時間としてとても大切なものなんだと思います。
そのようなことを感じさせてくれる作品だと思いました。
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