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2021年5月16日 (日)

「ジェントルメン」 ガイ・リッチーの原点回帰

ガイ・リッチーの原点回帰ともいうべきクライム・アクションです。
恒例のフィルム巻き戻しもあります。
これはジョン・ウーの白い鳩と同じくらい、ガイ・リッチーのサインのようになってきてますね。
マシュー・マコノヒー演じる麻薬王が引退するという噂がロンドンを駆け巡ります。
その利権を得ようと群がるマフィアたち。
麻薬王に恨みを持つゴシップ誌の編集長が暗躍し、その裏情報を麻薬王の右腕に売りつけようとする記者。
彼らは欲ぶかさ故に相手を騙そうとしますが、予期せぬことが次々と起こっていきます。
さらにロシア人マフィアやロンドンの街のチーマーまでが絡み始め、事態は誰にもコントロールできなくなるローリングストーン状態に。
麻薬王が池に小石を投げ込んだら、さざなみがどんどん大きくなり結局は誰もを巻き込む大津波になってしまったという体。
物語が坂道を転げ落ちていくような展開はガイ・リッチーらしいです。
彼の作風が好きな人は、好きな映画ですよね(私は結構好き)。
万人受けするかというと、ちょっとわからないですが。
結局最終的には一番肝が据わっている人間が勝つという。
麻薬王のセリフに「ジャングルの王はうわべの振る舞いだけでなく、本当の王にならなくてはならない」というのがありましたが、まさにそれで、本当の王であるべく肝が据わっているかが勝負を決めたということですね。
ロンドンというと割と小綺麗なイメージがあったのですが、割と危なそうなところあるのですね。
ちと怖いです。
あと貴族というと暮らしが豊かなイメージがありますが、現在は懐事情はかなり厳しいというのもわかりました。
ダウントン・アビーの時代じゃないのね。

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2021年5月 1日 (土)

「るろうに剣心 最終章 The Final」 剣心アクションの集大成

緊急事態宣言が三度出てしまい、GW映画に公開予定の映画が軒並み公開延期となってしまいました。
本作はその前の週に公開直後に鑑賞に行ってきました。
人気シリーズ「るろうに剣心」の最新作で最終章となります。
第一作を見たときに本作の新しいアクションに衝撃を受けました。
日本の剣劇、いわゆるチャンバラはある種のリズムがあります。
緩急と言いますか、静と動の組み合わせが独特のリズムを産んでいると思います。
まさにチャンバラという言葉は刀が組み合う音を表していますから。
最近の映画はかなりテンポが速くなっているとは思いますが、それでも独特のリズム感はあると思います。
それが「るろうに剣心」はない。
というより、ずっと攻撃を連打しているような感じですよね。
リズム的には格闘ゲームのコンボのようなイメージが近い感じがします。
時代劇にワイヤーアクションを本格的に取り入れたところが新しいところですが、ハリウッドのようなふわっとしたワイヤーアクションとも違う。
それよりは肉と肉がぶつかり合っている感じがします。
一番近い感じがするのはいわゆるカンフー映画でしょうか。
このシリーズのアクション監督を務めている谷垣健治さんのカラーが出ているかもしれません。
本作ではアクションは「るろうに剣心」らしさをさらにパワーアップした派手なものになっているように思いました。
剣心と宗次郎がタッグを組んでの二対多のアクションシーンはかなり密度が高かったです。
二人の剣豪が縦横無尽に駆け回り敵を倒していく。
今まではひとり剣心が中心となり、敵を蹴散らしていくという無双状態でしたが、今回は二人。
カメラは剣心を追っていったかと思えば、すぐに宗次郎へ、そして再び剣心へ、目まぐるしく動きます。
そのためアクションが非常に立体的で、そのため密度が出ていたように感じました。
そして最後の剣心と縁の戦い。
剣心演じる佐藤健さんのアクションは今までの作品からも折り紙付。
そして新田真剣佑さんも父親からの遺伝からかアクションの才能が高い。
そのためこの1対1の戦いも見応えがありました。
すごいもの見たという感じはありますが、全部これらを追いきれていないので、もう一度見てみたい気になりますね。
なんかアクションの話ばかりを書いてしまいました。
本作は原作のキャラクターの再現度が高いですが、今回の敵役雪代縁もイメージ通りです。
原作よりもさらに逞しくなっている感じがし、最後の敵役として存在感がありました。
原作のこのパートはかなり現実離れしている感じもありましたが、うまく映画の世界観に咀嚼してコントロールできていると思います。
この辺りは大友監督は上手ですね。
The Finalに続いてThe Biginningも公開予定でしたが、どうなるんでしょうね・・・。

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