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2021年3月20日 (土)

「ブレイブ -群青戦記-」 高校生の「戦国自衛隊」

突然、高校生アスリートたちが高校ごと雷と共に霧に包まれる。
彼らは突如戦国時代にタイムスリップしてしまったのだ。
混乱する彼らに戦国武者たちが襲いかかる・・・。
私の世代的には戦国時代にタイムスリップと言えば、「戦国自衛隊」です。
これは今でも名作だと思っています。
近代兵器で武装した自衛隊員が、戦国時代にタイムスリップするというプロットが当時すごく斬新でした。
武器を持っていながらも戦うことを禁じられている自衛隊員が、戦国時代で生きていく中で、次第にこの時代こそが自分たちが生きるべき時代であると感じていきます。
戦国時代が荒々しい時代であり、決してロマンチックな場所ではなく、ある種の野生が求められるということもこちらの作品では描いていました。
 
というように「戦国自衛隊」には思い入れがあったので、同様のプロットである本作については、見る前は懐疑的でした(原作は読んでいませんでした)。
トップアスリートとは言え高校生ですし、ロマンチックな戦国時代が描かれても、甘っちょろくて嫌だなと思っていたのです。
しかしその懐疑も冒頭で払拭されました。
野武士たちがいきなり高校生たちに襲いかかります。
彼らはまさに獣で、容赦がありません。
これにより彼らが送り込まれていった時代は、現代とは全く違う野生の時代であることがわかります。
仲間を救うため、彼らは織田信長の陣を攻めますが、次々に仲間たちは殺されていってしまいます。
その辺も全く容赦はありません。
主人公である蒼は懸命に生きるということの意味を見出せていない少年でした。
周りは部活に精を出し、自分を高めようとすることに意義を感じられていましたが、蒼はそこに価値を見つけられません。
悶々としていた彼でしたが、戦国時代にタイプスリップしてしまった後に、次第に自分の中にある強い思いに気づき始めます。
「戦国自衛隊」の伊庭は自分の中の野性に気付きましたが、蒼の場合は自分の中にある人を救いたいという強い思いとリーダーシップに気づくのですね。
そういう点では、本作は少年が大人になっていく成長物語という側面も持っていると思います。
終盤に彼に影響を与えた人物の死を目の当たりにして、蒼はそしてついに自分の役割をはっきりと認識します。
そういえば映画版は違いましたが、原作の「戦国自衛隊」では主人公の伊庭は織田信長的な役割を担う存在となっていました。
 
主演の新田真剣佑はさすがアクションは見事で立ち回りも絵になりました。
本作においての敵役となるのは渡邉圭祐さんですが、彼も見事な悪役っぷり。
「ジオウ」でもいい味を出していましたが、天性の演技巧者だと思います。
立ち回りも上手でした。
 
「戦国自衛隊」のことを取り上げましたが、こちらの主演は千葉真一さん。
そして本作「ブレイブ」の主演は新田真剣佑さんで、千葉真一さんの実の息子です。
親子で同じような役を演じるのは運命的ですね!

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