「ヤクザと家族 The Family」 親子って何だろう?
親子って何だろう?
家族って何だろう?
自分にも娘がいて、理屈を越えて彼女のことを愛しいと思う。
それは血が繋がっているから?
血が繋がっていても、昨今は虐待という悲劇もよく聞くし、子が親を憎むという話も耳にする。
子は親を選べないと言われる。
ヤクザの世界では親子の契りというものがある。
元は他人同士ではあるが、親子の絆をお互いに結び合うのだ。
本作の主人公山本は父親を覚醒剤で亡くす。
しかし、山本自身はその親をクソ野郎と呼ぶ。
そして彼は自分を拾ってくれたヤクザの組長である柴崎と親子の契りを結ぶ。
柴崎は本当の息子のように山本を気遣い、山本を柴崎を慕う。
本当の親子以上に。
親子というのは血の繋がりではなく、互いが相手をどれほどに思っているのかということなのか。
けれどもそうとも言い切れない。
山本は刑期を終えて出所した時に、自分に娘がいたことを知る。
彼はヤクザをやめた後、愛した女性と娘と一緒に暮らすようになる。
その時間違いなく山本は娘のことを愛おしく思った。
これは理屈抜きに湧き上がる血の繋がりによる愛情なのだろう。
山本が子供の頃から可愛がってきた翼は親のことは知らないが、その親を殺した人物を知る。
翼は親のことは覚えてはいないが、親の仇を討とうと相手を襲撃しようとする。
これも血の繋がりによる愛情だろうか。
そもそも山本も親の仇であるクスリの売人を半殺しにしていた。
親子って何だろう?
血の繋がり?
それとも互いの想い?
どれが正解なのかなどないのだろう。
確かに血が繋がっていようとなかろうと、親子、家族の間には何か特別な絆がある。
親、子という役割というのではなく、この人間でなくてはならないという特別な何か。
他の誰かには代えられない絆。
かけがえのない絆。
それを感じられる関係が親子であり、家族なのかもしれない。
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