「フード・ラック!食運」 肉食べたい!
食品業界では食べ物・料理のおいしそうな写真や映像のことを「シズル」と言います。
これは英語の「sizzle」(ジュージュー焼けている・揚げている感じを表す形容詞)からきていると言われています。
ですので、ただ料理が写っている・映っているだけでは「シズル」とは言えません。
見ていてまさに涎が出てきて、おいしそう!というような欲望をそそらせなければいけません。
私は社会人になってからずっとそこにこだわりを持って仕事をしてきたので一家言あるわけですが、本作の焼肉はまさにシズってました。
まあ、私の経験上、正直言って「焼肉」というメニューはシズル感を出すのは、それほど難しい素材ではありません。
焼肉そのもの自体は見た目にも香ばしい感じも伝わってきますし、何しろ映像的には音がいい。
ジュージューという肉が焼ける音は、聞こえてくるだけで食欲を刺激してくれます。
とはいえ、生肉から食べごろの状態に肉が変化していくタイミングはそれほど時間がないので、頃合いのいい状態で撮影するのは大変だったかもしれませんですね。
その成果もあってか、焼肉の料理のシズルはどれもおいしそうでした。
独身だったら、そのままその日の食事は焼肉になっていたことでしょう。
監督は食通と知られ、中でも特に焼肉にこだわりを持つことで知られるダチョウ倶楽部の寺門ジモンさん。
個人的には予告編での焼肉のシズルに惹かれて見に行ったわけなのですが、ストーリーも割とちゃんとしていたのが、嬉しい驚きでした。
主人公にはそれほど注目点はなかったのですが、脇のメンバーが良かったですね。
どちらかというと監督の目線は、周囲にいる料理人たちの方に向いているのではないかとも思いました。
主人公はそれら料理人・職人をストーリーとして繋ぐための媒介者のようにも感じました。
おいしい食を提供しようとする人々に共通するこだわり、それを描こうとしているのですよね。
ですので、主人公はこれぐらいがちょうどいい塩梅なのかもしれません。
土屋太鳳さんは女優としては、個人的にはそれほど評価高い方ではないのですが、うまそうに食べるなあとは思いました。
長年、人が食べるところを撮ったりもしてきたのですが、うまそうに食べるというのはなかなか演技では出せないのですよね。
それこそその人本来の持っているものという感じがします。
うまそうに食べるという点においては土屋太鳳さんはいいキャスティングであったと思いました。
ああ、それにしてもおいしい焼肉食べたいなぁ。
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