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2020年12月31日 (木)

「約束のネバーランド」 行ってらっしゃい

2020年大晦日、浜辺美波さん主演の「約束のネバーランド」を見に行ってきました。
本作は少年ジャンプで連載していた人気漫画の実写化作品ということですが、いつもの通り原作は未読です(笑)。
ですので、キャラの再現性は原作ファンから色々意見はある様ですが、私はあまり気にはなりませんでした。
どちらかというと核となる3人の設定が15歳ということだったのですが、この3人がどうしても同じ年齢には見えなかったところにしばらく違和感を感じていました。
浜辺さん、板垣くんは実年齢よりも若く見えるのでなんとか15歳に見ようと思えば見えたのですが、レイ役の城くんはもう少し幼く見えてしまったのですよね。
もう少し大人っぽい子でも良かったかもしれません。
浜辺さんの演技力は申し分なしで、板垣くんは「ジオウ」のウール役で知っていましたが、本作での演技は一皮剥けた感があり、とても上手いなと思いました。
原作未読のため先の展開はわからない中での鑑賞であったぶん、とてもハラハラしながら見れました。
3人の少年少女はとても知能レベルが高いという設定で、そして彼らを管理するイザベラも非常に頭が良い。
彼らが仲間を含めて欺きながら、脱出を計画しようとし、また阻止しようとするやりとりは少年漫画原作とは思えない、緻密な構成となっていたと思います。
最近の少年漫画はレベルが高いですね。
昨日書いた「えんとつ町のプペル」もそうでしたが、本作も与えられた価値観への反逆というお話ですね。
さらにはこれは子供がいつか親元を離れ、自分の生き方を決めていくということを描いています。
原作では最後のシーンにはイザベラは間に合っていなかった様ですが、本作での彼女の「行ってらっしゃい」は印象的でした。
彼女は彼女なりに子供たちの幸せは願っていた。
世の中の仕組みは変えられない中で、生ある限りは幸せに過ごさせてやりたい。
歪んではいますが、彼女なりの子供たちへの愛情であったのでしょう。
彼女は恐ろしい世界から彼らの幸せを守っているという気持ちであったのかもしれません。
けれどそれは彼女の価値観であり、そこから子供たちは自分の価値観で飛び立とうとします。
それはなかなか彼女にとっては受け入れ難いこと。
けれども親はいつだってそれを最後には受け入れなくてはいけない。
それが最後の「行ってらっしゃい」という言葉にあらわれているように思いました。
私にも幼い娘がいますが、やはり色々心配してしまって「危ないから・・・してはだめ」と言ってしまいがちです。
ですが、彼女もいつかそれを振り解いて旅立つ時がくるのでしょう。
自分は素直に「行ってらっしゃい」と言えるかな。

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