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2020年9月12日 (土)

「1/2の魔法」 前へ向かって

本作は3月に公開予定だったピクサーの新作ですが、コロナ感染拡大の影響で公開が延期に。
ようやく8月になって公開となりました。
パンフレットを買ったら「ムーラン」の広告が載っていましたが、こちらも元の公開日の4月の日付が。
公開延期が決定前に、もう刷っていたのだろうなあ・・・。
「ムーラン」は劇場公開はしないことが決定してしまい、残念(ディズニープラスで見れるようになったけどプレミアム料金で2980円かかるらしい・・・。高くない?)。
さて本作の話。
予告を見たときの印象としては、父と子の絆を描いたファンタジーかなという感じでした。
毎回、ユニークな切り口でありながらエモーショナルな作品を提供をしてきたピクサーにしては、オーソドックスな路線できたなと感じました。
16歳になった時、主人公のイアンは亡くなった父が残してくれた魔法の杖を母親から渡されます。
杖に添えてあった父親のメモには亡くなった人を復活させることができる呪文が書いてありました。
イアンと兄のバーリーはその呪文を試しますが、復活したのは父親の下半身だけでした。
全身を復活させるのには「不死鳥の石」が必要で、また呪文の効果は次の日の日没まで。
二人は父親を復活させるために冒険の旅に出ます。
主人公イアンは何事にも自信がない少年です。
冒険の旅の中で、兄の助けもありながら次第に魔法使いとして自信をつけていきます。
この物語はイアンの成長物語でもあります。
兄のバーリーは調子が良くて、ドジなところもあり、しばしばイアンの足を引っ張ります。
しかし、弟を思う気持ちは本物でした。
ただイアンは急速に子供から大人に成長していく一方、そんな調子の良い兄を疎んじる気持ちも芽生えてきてしまいます。
旅の途中で二人は喧嘩別れをしてしまいますが、イアンはバーリーの本当の気持ちを知ることとなります。
父親が亡くなったとき、イアンはまだ赤ん坊で全く記憶はありません。
しかし、バーリーは父親が亡くなった時の気持ちをずっと忘れてはいませんでした。
父親が失われるという恐ろしさのため、ちゃんとお別れの挨拶ができなかったことが、ずっと彼の中にわだかまりとして残っていたのです。
原題の「Onward」とは「前へ向かって」という意味があります。
これはずっと心にわだかまりを持っていて前へ進むことができなかったバーリーが、やっと父親に別れを告げることができることにより、前へ進むことができたという話でもありました。
もちろん主人公イアンもそんな兄の気持ちを理解し、父親に合う機会を兄に譲るということで思いやりのある大人に成長します。
「1/2の魔法」は主人公イアンだけの成長の物語だけではなく、バーリーとイアンの兄弟の成長物語なのです。
一見、一人の少年の成長物語かと思わせておきながら、実は兄弟二人の成長物語であったという構成は非常に巧みであり、エモーショナルであったなと感じました。
この辺りはさすがピクサーといった感じを受けました。

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