「チャーリーズ・エンジェル」(2020年) 女性の美しさとは
2000年、2003年とキャメロン・ディアス、ドリュー・バリモア、ルーシー・リュー主演、マックG監督で公開された「チャーリーズ・エンジェル」のリブート版です。
リブートと言っても、設定的にはそれらを受け継ぐ形となっており、写真でキャメロンたちの姿を見ることができます。
基本的にはスパイ美女たちが事件を解決していくというフォーマットはテレビシリーズ、マックG版と変わらないのですが、やはりディテールは現代的にアップデートされています。
元々テレビシリーズのエンジェルたちは、金髪グラマーというアメリカンな美女たちでしたが、マックG版で初めてアジア系がメンバーに入り、そして本作でもよりメンバーも多様性を広げています。
本作のエンジェルの一人サビーナを演じるのはクリスティン・スチュワートです。
私生活で彼女は女性と付き合っていることをオープンにしていますが、本作のサビーナも同性愛者であるという設定のようです。
本作の監督はエリザベス・バンクスで、本作では重要なキャラクターとしても出演もしています。
シリーズ初の女性監督ということですね。
「チャーリーズ・エンジェル」というシリーズは時代とともに変わっていく女性の立ち位置をキャッチアップして進化してきていると言えるでしょう。
テレビシリーズの頃は、女性に求められるものというのは表面的な美しさ、それもステレオタイプなパツキングラマーというものでした。
しかし2000年の映画では、個性が異なり、また見た目もかなり違う3人が主人公となり、それぞれの女性がそれぞれの美しさを持っているということをメッセージとして持ち始めたと思います。
それはプロデューサーでもあったドリュー・バリモアの考えであったのかもしれません。
それが本作ではその考えがさらに強まり、それぞれ女性の生き方は自分で決めていくことが、その人の生き方の美しさであるというメッセージになっていると思います。
サビーナは裕福な生まれであったようですが、その価値観故にドロップアウトしたようです。
またメンバーの一人ジェーンはMI6に属していましたが、その組織の冷徹さが受け入れられず、エンジェルになります。
そして事件の中心人物となるエレーナも属する組織の考え方に疑問を持ち、それと戦おうとします。
彼女たちは自分自身で考え、その考えに基づき自ら選び行動する。
表面的な美しさではない、生き方の美しさこそが女性の美しさだということなのかもしれません。
アクション映画としても見どころとしてはまずまず。
ストーリーも終盤で捻りも入りますので、退屈しません。
出演者はキャメロン・ディアスのような華やかさはちょっとないので、映画としてのゴージャスさはちょっと足りない感じはありますが、合格点だと思います。
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