« 「Fukushima 50」 あの時の経験を活かす | トップページ | 「ハーレイ・クインの華麗なる覚醒 BIRDS OF PREY」 自立した女 »

2020年3月21日 (土)

「仮面病棟」 ややご都合主義

<ネタバレ含みます>
ある病院を舞台にしたサスペンスです。
 
主人公速水がある病院の当直医として1日限りのバイトをしていた晩、突然ピエロの面を被った強盗が病院に押し込み立てこもります。
一緒に彼に撃たれた女子大生、瞳もやってきました。
他に病院内にいるのは認知症の患者たちと、院長と二人の看護師。
ピエロが病院に来たのは偶然ではなく、何か目的があるらしい。
そして院長や看護師たちの動きにも不審な点が。
この病院には何か秘密があると速水は感じ始めた・・・。
最後のどんでん返し自体は意外性もあり楽しむことができますが、いくつか気になる点もあり、謎解きの部分は全て納得できたわけではありません(私が見逃しているところがあるかもしれませんが)。
そもそも普通の市民である犯人らが物騒な拳銃を持っている理由が示されていません。
そして大きなトリックの一つである瞳の腹部の銃槍について、元々あった傷を素人が致命的にならず隠蔽するようにつけるなんてことができるのかという点。
瞳は患者の一人であったというわけですが、化粧や髪型を変えただけでいつも世話をしている看護師たちが気づかないというのも不自然です(一人は気付きましたが)。
彼女と姉が病院に担ぎ込まれた時は、身元不明であったということです。
一時的に記憶を失っていたということでしょうか。
それとも怪我によって意識不明であったということでしょうか?
もし意識不明な状況であったのに臓器摘出手術をしたとすると、意識が戻ってしまったら院長らはどうする気だったのでしょう?
絶対に記憶が戻らない自信があった?
また記憶が戻った瞳はなぜ自分の身元を告げないまま、身元不明のまま病院で過ごしたのか?
姉の復讐をするため?
そうすると目覚めた時から、大体の計画は彼女の頭に浮かんだということなのでしょうか?
 
というようにいくつも気になる点があり、ミステリーとしては納得性がありませんでした。
何人かいる身元不明者のネームプレートを写したり、全ベットが埋まっているはずなのに開いていたベットがあったということをさりげなく見せるなど、フェアでありたいという姿勢はいくつも感じるのですが、全体的にはご都合主義な感じは否めません。
もうちょっと丁寧さがあればもっと良い仕上がりになったように思います。

|

« 「Fukushima 50」 あの時の経験を活かす | トップページ | 「ハーレイ・クインの華麗なる覚醒 BIRDS OF PREY」 自立した女 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« 「Fukushima 50」 あの時の経験を活かす | トップページ | 「ハーレイ・クインの華麗なる覚醒 BIRDS OF PREY」 自立した女 »