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2020年1月13日 (月)

「カイジ ファイナルゲーム」 ハイテンション!

藤原竜也さん主演の「カイジ」シリーズの9年ぶりの新作です。
全2作についても楽しく鑑賞できたので、とても楽しみにしていました。
監督も主演もそのままですので、作品のテイストも変わることがないのが嬉しいところです。
まずは主演の藤原竜也さんです。
元々舞台出身ということもあり、演技はナチュラルというよりもオーバーなのが彼の特徴です。
ですので、こういうハイテンションな作品に藤原竜也さんは非常によく合いますね。
顔を真っ赤にしてセリフを全力で吐き出すように話すところなどは彼らしさがすごく出ていました。
彼のようなタイプの俳優さんは多くはないので、非常に貴重な方だと思います。
カイジは彼のフィルモグラフィの中でもはまり役の一つだと思います。
カイジの相手役となるのは、吉田鋼太郎さん。
今までも香川照彦さん、伊勢谷友介さんが敵役となっていましたが、吉田鋼太郎さんがまた憎らしくて良いです。
藤原竜也さんがハイテンションなので、敵役もやはりそれを受け止められるパワーが絶対に必要です。
吉田鋼太郎さんはシェイクスピアの舞台などをやられていた空ですので、大仰な芝居(良い意味で)は得意とするところ。
最終作での藤原竜也さんとの相手役としては申し分ありません。
ラスボス的な役割として出てくるのは福士蒼汰さん。
今まではあまりこのような悪役は演じられていなかったと思いますが、藤原さんに影響されてからなかなかなハイテンションであったと思います。
描かれるのが非現実的な世界であるので、俳優陣のテンションが作品の全体に大きな影響を与えていると思います。
このシリーズはそれがうまくできている。
ストーリーとしては、前2作に比べると舞台装置としては大きかったものの、緊張感は少なかったようにも思います。
人間秤のパートが長かったからでしょうか、カイジの仕掛けなどの種明かしが後半に集中したので、途中の緊張感がやや今までの作品に比べると薄いようにも感じました。
もっと胃が痛くなるような緊張感があった印象なのですよね。
前作よりはドラマ部分が強化されているような感じがしました。
それはそれで楽しめたので、映画としては全然成立していると思います。
今までの作品のテンションを期待するとちょっと物足りなく感じるかもしれません。

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2020年1月12日 (日)

「カツベン!」 彼らの役割

今年の最初の記事はこちら、「カツベン!」です。
タイトルの「カツベン」とは「活弁」、すなわち「活動弁士」のこと。
かつて日本で映画が「活動写真」と呼ばれサイレントであった頃、それに活弁と呼ばれる弁士が状況やセリフを喋り、説明をしていました。
映画そのものよりも、弁士その人のうまさや人気の方が劇場にとっては重要であったということです。
欧米では活弁という職業はなく、無声映画にはバックにオーケストラがかかっていました。
状況やセリフをいう活弁という日本独自の職業は、浄瑠璃などからくるナレーション文化の流れを汲むものと言われています。
無論、映画がトーキーになってしまえば、その役割は必要なくなってしまいます。
活弁が活躍する時期は40年間程度でしょうか。
私が本作で印象的であったのは永瀬正敏さんが演じる山岡秋声というキャラクターでした。
山岡は主人公染谷俊太郎が憧れていた活弁でしたが、染谷が出会ったときは舞台に上がってもあまり喋らない弁士となっていました。
彼は映画はそれ自体が語りたいことがあるから、活弁が好き放題に面白おかしく説明するのは良くないと考えるようになっていたのです。
もしかすると、彼は映画が自分自身を語り始める(すなわちトーキーになる)ことを予見していたのかもしれません。
とはいえ、無声映画をイキイキとさせ、より人々を楽しめることができた活弁の役割を否定するものでもないと思います。
映画のラストで、事件により多くのフィルムを消失させてしまった染谷たちは、残ったフィルムを繋げ合わせ劇場にかけます。
当然残ったフィルムを繋げただけなので、そこにはストーリーなどはありません。
しかし、辻褄の合わないフィルムを染谷は活写し、観客たちを魅了します。
彼の喋りがただの寄せ集めのフィルムに生命を与えたかがごときでした。
活弁とはいずれ消えていく仕事であったのかもしれません。
映画自体が言いたいこととは異なることを話していたのかもしれません。
しかし、映画が人々の楽しみとして普及していく過程において重要な役割を担ったということは確かであったのだろうと感じました。
現在にも何人か活弁を生業としている方はいらっしゃるようですね。
いつか、彼らの仕事を観てみたいとも思いました。
通常の映画体験とは異なる体験ができそうです。

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