「名探偵ピカチュウ」 ピカチュウの声がおっさんである意味
いわゆるポケモンブームが巻き起こった時にはすでに社会人となっていたので、ゲームにしてもアニメにしても個人的には全く馴染みがありません。
そもそもゲームボーイは持っていなかったですし。
「ポケモンGO」がリリースされて大ブームになった時に、初めてポケモンたちを知ることとなりました。
つまりは「ポケモンGO」しか知らないわけで、それぞれのポケモンがどんなキャラクターを持っているのやら、「ポケットモンスター」がどのような世界観なのかがわかっていないわけです。
アメリカで「ポケットモンスター」が実写化される時は、多くの日本人が思ったようにまたもやおかしな映画ができるのではないかということでした(「ドラゴンボール」のような)。
ただオリジナルをほとんど知らないわけなので、本作にはフラットな態度で臨むことができました。
予告を見た時にわかったのは、どうも本作は通常の「ポケモン」とは異なる物語であるらしいということ。
「ポケットモンスター」の中で最も重要なポケモンと言えば、門外漢でもピカチュウだと答えるでしょう。
私でもピカチュウだけは知っていて、可愛らしく「ピカーッ」と鳴いているイメージでした。
しかし、本作のピカチュウはと言えば、中年のおっさんの声なのです。
正確に言うと、主人公のティムにしかその声は聞こえず、他の人間にはやはり「ピカーッ」としか聞こえません。
そしてそのピカチュウが探偵であり、主人公とペアとなって事件を解決するということです。
どうも聞いたことがある「ポケモン」とはだいぶ違うような気がするとは思いましたが、それほどオリジナルに思い入れはないのでそれがハードルにはなりませんでした。
それよりピカチュウの声をライアン・レイノルズがやっているということで、そのことの方が何かありそうだという予感に繋がり、見てみようと思いました。
<ここから先はネタバレあり>
ピカチュウの声をおっさんであるライアン・レイノルズがやっているというのが、想像以上にストーリーにとって大事であることが終盤に明らかになり、そのアイデアにとても感心しました。
事件の黒幕は人間とそのパートナーであるポケモンを一体化することにより、ポケモンの力を人間が手に入れることができるようにし、それによって強制的に人間を進化させようとします。
ピカチュウがおっさんの声であるのは、ティムの父親であるハリーがピカチュウと一体化させられてしまったためであることがわかります。
そのため、ピカチュウの声を聞き取れるのは息子であるティムだけということなのですよね。
ピカチュウが口にしていた「I like that. I like that very well.」という口癖はハリーも口にしていました。
子供向けの映画かと思いきや、意外とストーリー的にもしっかり練られていましたし、映像的にも頑張っていて好感が持てる作品でした。
こんな風に丁寧に実写化してくれるとありがたいですね。
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