« 2018年を振り返って<映画> | トップページ | 「蜘蛛の巣を払う女」 ダークなトーンを纏ったアクション映画 »

2019年1月12日 (土)

「クリード 炎の宿命」 昔からのファンにはたまらない胸アツな展開

前作「クリード チャンプを継ぐ男」の記事の時、どちらかというとスピンオフ的かと書いたのですが、本作を観て考え直しました。
「クリード」2作は「ロッキー」から始まるボクシングに関わった男たちの大河ドラマの正当な続編と言えるようになったと思います。
本作は30年前の「ロッキー4 炎の友情」を受けるストーリーとなっています。
「ロッキー4」では、ロッキーのライバルであり親友でもあるアポロ・クリード(本作の主人公であるアドニスの父親)が、ソ連のボクサーであるイワン・ドラゴと戦い、その試合で亡くなってしまうという展開があります。
本作ではそのドラゴの息子とチャンピオンとなったアドニスのタイトルマッチが組まれます。
そしてロッキーとイワン・ドラゴはそれぞれセコンドとして試合を見守ります。
まさに因縁の対決です。

上記でボクシングに関わった大河ドラマの正当な続編と書きました。
前作の「クリード チャンプを継ぐ男」の時は、「ロッキー」というシリーズは、ロッキーという男の年代記のようなものであると思っていたので、「クリード」をスピンオフのように感じました。
本作の物語の展開は基本的には初期の「ロッキー」シリーズの展開を踏襲しています。
すなわち一度大きな敵と対決し、敗北によって挫折し、そこからまた復活するという展開です。
ワンパターンといえばそれまでですが、この展開によって最後に大きなカタルシスを感じることができる黄金パターンとも言えます。
古くからの「ロッキー」のファンは、やはりこのカタルシスが味わいたいのだと思います(私も含めて)。
本作を観ながら、昔「ロッキー」を観た時の手の汗を握るような興奮を思い出しました。
そういう意味で「クリード」シリーズは「ロッキー」シリーズを引き継ぐ後継作と言えることができるかと思います。
また、「クリード」に登場するロッキーとアドニスは擬似的な親子だと言えます。
アドニスは幼い頃に父アポロを無くしましたが、ロッキーは師匠でもあり父親のような存在となっています。
またロッキーは実の息子とは疎遠になり、親友の息子であるアドニスを実の息子のように感じているのでしょう。
本作の中でロッキーからアドニスへいくつものアドバイスがあります。
いずれも深い意味のある言葉なのですが、それはロッキー自身が上手に自分の息子と向き合えなかったという後悔があるからこそなのだと思います。
またアドニスが一度敗北した時に、自分の中にある「父の声」が聞こえなくなったということを言います。
それは彼の中に存在しているアポロという意味でもあるかもしれないですが、離れてしまったロッキーの彼を導くアドバイスが聞けなくなったともとれます。
つまりアドニスにとってロッキーも父親同様の存在なのですよね。
本作ではさまざまな親子の関係が描かれます。
ロッキー戦で敗北しすべてを失ってしまったイアン・ドラゴと、彼が自分の能力とそして無念を注ぎ込んでファイターとして育て上げた息子ヴィクターの関係。
また彼ら二人を捨てていった母親の冷たい目線。
そして主人公アドニスにも娘が生まれます。
このような親子関係が描かれることにより、「ロッキー」シリーズで描かれ続けてきた不屈の精神がロッキー個人だけのものではなく、その後継者に受け継がれていくことになっていくという物語が語られ続けるという可能性を感じました。
そういう意味で大河ドラマの正当な続篇と書いたのです。
次回作があるかどうかはわからないですが、期待したいところです。

|

« 2018年を振り返って<映画> | トップページ | 「蜘蛛の巣を払う女」 ダークなトーンを纏ったアクション映画 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/186553/67584475

この記事へのトラックバック一覧です: 「クリード 炎の宿命」 昔からのファンにはたまらない胸アツな展開:

« 2018年を振り返って<映画> | トップページ | 「蜘蛛の巣を払う女」 ダークなトーンを纏ったアクション映画 »