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2018年12月15日 (土)

「機動戦士ガンダムNT」 ガンダムらしいガンダム

「機動戦士ガンダムUC」の続編の位置付けで、ガンダム作品としては「F91」以来27年ぶりの劇場向け作品です。
私にとってガンダムは自分という個性を形成している大きな要素の一つと言ってもいいくらいです。
いわゆるファーストガンダムで衝撃を受け、その後のガンプラブームにどっぷりとつかりました。
ちょうど中高生の頃に「Zガンダム」や「ガンダムZZ」がオンエアだったので、いわゆる今は無きアニメックなど専門誌で喧喧諤諤と語られていた「ニュータイプ論」を読み、じ自分でも色々と書いたりしていた輩でしたね。
その頃の私にとって、ニュータイプ論というのは、ある種、青年が哲学的な問答に憧れて難しいことを考えることにはまるようなものであったかもしれません。
作品の表面で語られていること、そしてその意味性や意図などを深読みしていくという鑑賞の仕方は「ガンダム」を通じて培われたもののような気もします(面倒くさい見方ですが)。
大学生になった頃に公開されたのがいわゆる「逆シャア」でした。
いい歳をした大人となっていましたが、それだからこそそれまでに自分なりのニュータイプ論的なものがあった上で「逆シャア」を観たのですが、感想としては「はぁ?」という感じでした。
クライマックスで地球に落下しようとしているアクシズをアムロを中心とした多くのモビルスーツが止めるわけですが、これが理解できなかった。
ニュータイプというのはこのような物理的な力を発生することができるものなのか、と。
私の解釈ではニュータイプは人の意識が拡張し、より人と深くコミュニケーションできるようになる能力と捉えていたので、このような物理的な力を発揮するところを描かれた時、理解を超えていたのですね。
もはや超能力者のようだと感じたように思います。
そのあと、急速にアニメーションへの傾倒がなくなったのですが、「逆シャア」はその一つの要因かもしれません。
しばらくアニメから離れていたのですが、再び観るようになったのもガンダムでした。
「OO(ダブルオー)」を何かの拍子で観たら、とてもはまってしまいました。
それまでは宇宙世紀以外は邪道と(観てもいないのに)思っていたのですが、いい作品があるじゃないかと。
最近では「鉄血のオルフェンズ」も秀逸でした。
もちろん「ガンダムUC」も観てましたね。
ファーストガンダムだとやはりニュータイプ論についてはモヤモヤ感はありますが、「UC」はそのあたりを深く掘ってはいないので、それほど違和感は感じませんでした。
そしてこの「NT」です。
まず感想としては非常に「ガンダムっぽい」。
この「ガンダムっぽい」というのはニュータイプ論的な話が再び喧喧諤諤と起きそうな匂いがするのですね。
「UC」の直接の続編なわけですが、作品の匂いとしては「Zガンダム」あたりが似ているような気がします。
全体的に救いがない話でもありますし、台詞回しもそれっぽい(特に敵役となっていたゾルタン・アッカネンのセリフは非常にガンダムっぽかったです)。
「NT」で描かれているニュータイプも今までのニュータイプともちょっと違う。
ファーストでもシャアやアムロが死んだララァと話しているような場面がありますが、あれはあくまで比喩で、自分の意識の中にある彼女と彼らが内面で会話をしていたというように私は捉えていました。
死人と交信しているわけではないということです。
しかし本作ではフェネクスがいわば死んだ人間の意識によって稼働しているように描かれているので、死んだ人間の意識が現実の世界に影響を与えているというややオカルトっぽい要素が出てきているような気がします。
もう私は大人になったので、「逆シャア」の時のように「こんなのガンダムじゃない」と駄々をこねる年でもなくなったので、今は「こういう解釈をしたんだ」というような見方で観ましたが。
なので作品にハマるというよりは割と距離を置いて冷静に観てしまった感じがします。
もはや宇宙世紀の作品はそのような距離感でしか見れないかもしれません。
「鉄血のオルフェンズ」とかのほうが設定が違う分、しっかりと作品世界に入っていけるでしょう。
宇宙世紀についてはこの後もサンライズは作品を展開していく様子です(「閃光のハサウェイ」の予告が「NT」でもかかっていました)。
どんなふうに展開していくのでしょうか、楽しみに見守りたいと思います。

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