「仮面ライダー平成ジェネレーションズ FOREVER」 ライダーの足跡
来年、平成が終わる。
現在も続いている「仮面ライダー」シリーズは、いつしか平成仮面ライダーと呼ばれるようになっていた。
それもすでに現在公TVで放映されている「仮面ライダージオウ」で20作目。
「ジオウ」は20作を総括する位置付けで、平成仮面ライダー全てが1年間を通して登場していく予定だ。
同じようにそれまでのシリーズを総括した作品としては10作品目であった「仮面ライダーディケイド」があったが、これは異なるライダーの世界観を文字通り別世界=パラレルワールドとして描いていた。
しかし「ジオウ」の設定では今までの仮面ライダーとジオウは同じ時間軸にあるというもの。
すなわち、ジオウの登場前の過去に19人もの仮面ライダーがいたということなのだ。
こうなると毎回異なる世界観のライダーがどのように同じ時間軸に存在しうるのかということになるのだが、それが歴史を改変しようとしているタイムジャッカーという存在。
これがテレビシリーズにおけるジオウの敵となっているわけだが、説明しようとするとかなりややこしいのでここでは割愛する。
正直、「ジオウ」は時間を行き来するので、「ディケイド」よりも数倍話がややこしいため、見ていてもかなり疲れる。
設定上アラがないかが気になってしまうのだ。
ただ最近どんどん話が複雑になっていくので、あまり考えずに見る方がいいのではないのかという気になっている。
こちらの劇場版はさらにややこしい。
なぜなら同じくタイムトラベルをテーマにしていた「仮面ライダー電王」が大きくストーリーに関わってくるからだ。
また予告でも語られていたように、仮面ライダーは虚構なのか、現実なのかというテーマが挙げられており、かなりメタ的要素も強まっている。
そのため、序盤はどのような状況になっているのかを理解するのが非常に苦労した(正直、一回見ただけだと理解できているか自信がない)。
何回か見て色々な仕掛けや設定を味わうのが通的な楽しみ方だとは思うが、後半までいくとそういうのはどうでもいい気分にもなった。
まずは「仮面ライダー電王」で主人公野上良太郎を演じていた佐藤健さんが登場したシーンで、思わず声が出た。
直前のリリースで佐藤さんが登場することを聞いていたわけだが、それでも画面に登場すると感慨深いものがある。
「仮面ライダージオウ」では過去のライダーの出演者が友情出演をするのが話題の一つだが、やはり有名になった俳優はスケジュールどりなどで出演が厳しいことも想像がつく。
「フォーゼ」編では福士蒼汰さんが出るかと思いきや、後ろ姿だけの別人であったということもあった。
佐藤健さんといえば、出演作が途切れることなく公開されており、忙しさという点では歴代の仮面ライダー出演者の中でも随一であろう。
その佐藤さんが出てくるだけで、画面がガラリと変わる。
またファンとしては単純に嬉しい。
その時、なるほどと得心がいった。
「ジオウ」はあまり考えすぎずに見るのが良いと。
設定やら何やらを考えすぎずに見た方が単純に楽しめる。
クライマックスで20人のライダーが勢ぞろいし、それぞれのスタイルで戦う。
ラスボス相手に歴代20人のライダーが、それぞれの必殺技であるキックを放つ。
20作品目の記念作品ということを示す「仮面ライダージオウ」のキャンペーンマークがあるのだが、それは歴代仮面ライダーの足型をモチーフとしている。
仮面ライダーと言えばやはり「キック」だし、それゆえ足型をモチーフにしたのだと思っていたのだが、それだけではないということに気づいた。
足型はまさに仮面ライダーの足跡なのだ。
平成仮面ライダーというシリーズが20作品に渡って紡いできた歴史の足跡という意味が込められているのではないのだろうか。
平成仮面ライダーは「クウガ」から「ディケイド」までを第1
期、「W」以降を第2期と呼ばれることが多い。
本作のプロデューサーでもある白倉プロデューサーは雑誌のインタビューで第1期は昭和ライダーへのカウンターであり、第2期は第1期へのカウンターであるという見解を述べていた。
冒頭に書いたように「ジオウ」は作品として第2期を総括する役割を持っている。
そして総括した先に新しい時代の仮面ライダーがあるのだろう。
また仮面ライダーの新しい足跡が刻まれていくことになるのを見守っていたい。
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