「ボヘミアン・ラプソディ」 自分の居場所
私は洋楽は疎いのですが、クイーンの曲は知っている曲が多いです。
本作で流れていた曲もほとんどが聞き覚えのあるものばかり。
クイーンの曲は様々な映画の中で使われていて印象に残っているからかもしれないですね。
そう言えば、私のクイーンの初体験は「フラッシュ・ゴードン」のテーマの「Flash」だったのではないかな(笑)。
キャッチーな「フラッシュ!アーアー!!」っていうフレーズが印象的でした。
クイーンのことは知ってはいても体系的な知識ではなかったのですが、本作の中でメンバーがクイーンは同じようなことを繰り返しおこなっていくようなことはしないというようなことを言っていましたが、その通りかもしれないと感じました。
彼らの曲を改めて聞いてみると、いわゆるヒットメーカーにありがちな同じようなパターンとかがあるわけでもなく、どの曲も他にはないユニークさを持っていますよね。
それでいて、どの曲もどこかしらクイーンらしさというのも感じます。
それが彼らのスピリットなのかもしれません。
やはり本作を語る上ではクイーンのボーカリストであり、本作の主役でもあるフレディ・マーキュリーについて触れないわけにはいきません。
一般的な知識として彼がエイズで亡くなったのは知っていましたが、彼の出身がインド系であることは全く知らなかったです。
彼の人生を描いた本作を観ると、彼がどこにも自分の居場所を感じられなかったということが痛いほどに伝わってきます。
イギリスで青春時代を過ごす中で、インド系であることによる疎外感。
伝統的な価値観の家族の中で、ロックに傾倒していく自分の居心地の悪さ。
そしてバイセクシャルであることを誰にも言えないことの閉塞感。
彼は彼らしく生きていこうとすればするほど、自分の居場所を失っていってしまう。
家族のような存在であったバンドも、そして恋人のルーシーも。
自分がどこを基盤としているかがわからないとても曖昧な不安定感。
まさに流浪の民、ボヘミアンなのですよね。
彼は自分の拠り所を探し、さまよいます。
そして結局、自分の居場所は家族とも言えるバンド、クイーンだったわけです。
その唯一の居場所を見出せたのに、彼の寿命は尽きようとしていた。
けれども最後に自分の大切な場所を見つけることができたとも言えるわけですね。
ずっと自分がどこにいるべきなのかわからなかった根無し草から、ここにいてもいいと言ってもらえる場所を見つけられた。
これはフレディにとっては幸せなことだったのですよね。
| 固定リンク
コメント
当時に比べるとかなりLGBTが社会的に認知され、LGBTが胸を張って生きられる社会に進歩してます。きっとフレディも喜んでいるのではないでしょうか。LGBTに対する差別や偏見など絶対に許されるべきではありませんから。
投稿: kanamorimorikana08625 | 2018年12月13日 (木) 14時06分