「インクレディブル・ファミリー」 一粒で何度でも楽しめる
ピクサーの「Mr.インクレディブル」の続編です。
前作は2004年の公開だったので、もう14年も経っているんですね!
監督は前作に引き続き、ブラッド・バードです。
考えてみると「Mr.インクレディブル」は現在のアメコミヒーローブームの先駆けかもしれません。
マーベル・シネマティック・ユニバースが開始されたのは「アイアンマン」からで、公開時期は2008年。
「Mr.インクレディブル」の方が先になります。
ヒーローの存在が法律で禁じられている設定というのは、最近のマーベル・シネマティック・ユニバースでも展開されていますが、全然「Mr.インクレディブル」の方が先でした。
「Mr.インクレディブル」はレトロさを持ったタイツを着たスーパーヒーロー、そして懐かしいスパイ映画の雰囲気、昔からの映画ファンにはぐっとくるアイデアが詰まっている作品です。
そしてただヒーローが活躍する事件を描くのではなく、そのヒーローたちの私生活の部分を描くところが新しくもありました。
「ヒーロー×家庭」という意外な組み合わせが新鮮で、かつ普遍的なテーマでもあり、とても楽しめたのを覚えています。
久しぶりの続編はその基本的な「Mr.インクレディブル」の設定をさらに現代的なテーマを取り入れて、パワーアップしています。
その現代的なテーマとは「女性の社会進出」ですね。
本作を見て思ったのは、日本もアメリカも同じような課題に直面しているんだなということです。
女性が社会に出て働けるようにするには、家事や育児の負担を夫婦でしっかりと協力してやるということが大事です。
それは分かっていて、頑張ってやろうとするのですが、奥さんほどにはなかなかうまくできないのが旦那さんの悩みだということはどこでも共通なのですね。
自分もいろいろやろうとするのですが、奥さんにダメ出しされて凹むときが度々あります・・・。
本作のボブの気持ちにすっかり共感してしまいました。
奥さんが頑張って社会に出て輝いているのを見るのは嬉しい。
けれど自分は、家事もうまくできず疲労困憊で追い込まれてしまう。
これは男だからということではありません。
逆に仕事をしていた女性が子供が生まれて家庭に入ったときにも同じように思うこともあるでしょう。
だからこそ、夫婦で協力して家庭のことを考えるというスタンスが大事なのですよね。
それぞれの家庭の事情もあるので、どういうやり方がいいってことはないとは思います。
けどどういうやり方がベストかを夫婦で話し合うことが大事なのかな。
時々夫婦喧嘩とかがあると、改めてしっかり話すことが大切だと思います。
日々の生活の中で、お互い甘えちゃっていることがありますからね。
ちゃんと理解をするということが大切です。
とはいえ、「インクレディブル・ファミリー」はこういった現代の家庭事情の話だけではありません、もちろん。
そういう内容は別にして、ヒーロームービー、スパイムービー的な楽しみ方でも十分に堪能できます。
さすが「ミッション:インポッシブル」を監督した経験もあるブラッド・バードなので、アクション映画としての見せ方もさすがだと思います。
リニアモーターカーのチェイスシーンとか、最後の暴走する船を止めるシーン(「スピード2」か!)とか、見応え十分。
あと子育て真っ盛りの人も楽しめますよね。
赤ちゃんのジャック・ジャックが可愛い。
無邪気な彼が赤鬼になるところとか、自分の娘もそうなので、思わず笑ってしまいました。
赤ちゃんあるあるです。
社会的なテーマ、アクションムービー様々な側面で、一粒で何度でも楽しめる「インクレディブル・ファミリー」。
さすがピクサー、安定の品質です。
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