「劇場版 仮面ライダービルド Be The One」 改めてわかる本編の力強さ
TVシリーズがいよいよ終盤になり、目が離せない展開となっている「仮面ライダービルド」の劇場版です。
「仮面ライダービルド」は一年に及ぶ長期のシリーズでありながら、1クール目から次から次へとどんでん返しが続き、ずっと緊張感のある物語になっています。
最近の平成仮面ライダーはかなり物語的にもビジュアル的にも盛り沢山になって来ていて食傷気味なところもあったのですが、「ビルド」はいい塩梅であるような気がします。
決してシンプルな物語でもないのですが、基本的には戦兎と龍我の二人を軸にストーリーが展開するので、観やすいのかもしれません。
また敵が圧倒的に悪い奴(エボルト)であるのも観やすいポイントかもしれないですね。
敵にも敵の事情があるというストーリーだと、ストーリーも複雑になりがちですから。
出物やキャラクター、またキーアイテムといった要素は多いお話だと思うのですけれど、主人公と敵役がしっかりと軸が定まっているので、「仮面ライダービルド」は安定感がある物語であり、最後まで引っ張る力強さがあるように思います。
というようにTVシリーズはしっかりと軸がある物語なので、劇場版はどうしてもそこからのスピンアウトになってしまいます。
仮面ライダーの劇場版というと、TVシリーズとは関係ないパラレルワールド的なストーリーにするか、もしくは後日談という展開がありますよね。
今回の劇場版はそのいずれでもなく、TVシリーズ本編の終盤に入る物語になります(「仮面ライダーW」の時と同じパターン)。
このパターンは本編との関係性が難しいのですよね。
本編とリンクがある展開にすることも可能ですが(例えば「仮面ライダー電王」の時など)、劇場版を観ないとTVシリーズの方がよくわからない展開になるというのも不親切です。
なので、本編にあまり影響のないサイドストーリーとならざるを得ないのですが、本編が力がある物語になっているとどうしてもサイドストーリー的な弱さが出てしまいます。
先に書いた「仮面ライダーW」の劇場版は、劇場版として独立させてもとても見応えのある作品に仕上がっていたと思うのですが、なかなかいつもこのようにうまくはいきません。
本作「仮面ライダービルド」の劇場版はあまりうまくはいっていなかったかなという印象です。
映画として劇場版がよくできていなかったというつもりはなく、どうしても本編の方が力強すぎて映画の方が傍流感が出てしまった感じですかね。
悪役でブラッド族というものが出て来ますが、凶悪さでいったらTVシリーズのエボルトの方が一枚も二枚も上手。
エボルトが圧倒的な悪役だからこそ、TVシリーズが盛り上がっているとも言えるわけです。
なかなか仮面ライダーたちがエボルトに勝てそうにないという緊迫感がたまらないのです。
そのエボルトに比べるとブラッド族の3人は役不足。
この辺りが本編の力強さに敵わないという理由でしょうか。
気になったのは、次回作「仮面ライダージオウ」です。
平成仮面ライダー20作目、最後の平成仮面ライダーとして、今までのライダーの力が使える究極のライダーとして登場するということは、すでにリリースなどで発表されています。
本作が映像で初登場となるわけですが、なかなかに期待ができそうな感じがします。
節目のライダーといえば10作目の「仮面ライダーディケイド」が思い出されます。
この作品でもそれまでのライダーの力を使えるというコンセプトがあり、また「ライダー大戦」という圧倒的なビジュアルインパクトのあるオープニングで圧倒されました。
今回のジオウ初お披露目となる場面は、その「ライダー大戦」の場面と同じロケ場所でしたね。
そしてそこでも大勢のライダーが戦っている。
これは意味がある場面なのですよね・・・。
「ディケイド」の時の「ライダー大戦」がまた再現されるのか。
「ビルド」のラストも気になりますが、「ジオウ」の初登場の時も気になります。
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