「リメンバー・ミー」 家族の絆
最近は数々3Dアニメーションを作るスタジオが増えてきていて、公開数も多いですが、やはりピクサーの作品は別格な感じがします。
卓越した美しい映像の素晴らしさも一段上のような気がしますが、やはりそれだけにとどまらず、非常にエモーショナルであることがピクサーらしいんですよね。
一言で言えば、必ず心を揺さぶられるところがあるということ。
ピクサーの映画が大人にも子供にも楽しめるというのは、そういうエモーショナルな部分も格別であることからだと思います。
本作は家族の絆を描く物語です。
こう書くと陳腐な感じに聞こえるのですが、誰でも何かしら自分の中に経験があるところを感じられると思います。
若い頃は家族の絆とかいうと、何かこそばゆいというか、斜に構えて見ていたところがあるのですよね。
けれど、子供ができたり、最近父を亡くしたりなんていうことがあったりすると、家族というものを考えたりするようになります。
息子と父というのは、成人になって独立してしまうとなかなかしっかりと話す機会はないものだと思います。
別段不仲というわけでもなかったのですが、それぞれが独立して自分の生活があると改めて話をすることもなかったのですよね。
照れ臭かったのもありますが。
しかし、いざ突然亡くなってしまうと、父親は自分に対してどう思っていたのだろうかと考えたりもしました。
いい息子であったのだろうかなどと。
死んだ人と話をしてみたいという人の気持ちもわからなくはなかったしもします(以前は想像もつかなかった)。
そういう意味では、本作の主人公ミゲルは死者の国に行き、記憶にもなかった先祖と一緒に冒険をします。
先祖が何を考え、何を感じていたか、それを知ります。
それは得難い経験ですよね。
そういう思いがあると、それを何かしら繋げていきたいと思うのだと思います。
繋げていきたいという気持ちが絆なのでしょう。
自分の子供にも何か自分なりに思いを残してあげたいと思いますし。
本作のココが父親を思っていた気持ちのように、娘にも思ってもらえたら嬉しいなと。
ココが最後に父親の思い出を語る場面では思わず涙が出てしまいました。
日本語版を見たのですが、ミゲルを演じていた子の歌がうますぎてびっくりしました。
まだ13歳だとか。
凄すぎです。
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