「スター・ウォーズ 最後のジェダイ」 ジェダイとは何か?
<ネタバレ要素があるのでご注意です>
「スター・ウォーズ」シリーズにおいて欠かせない「フォース」そして「ジェダイ」という存在について、やや哲学的であるにせよルークの口からしっかりと語られていたと思います。
私の解釈としては、「フォース」は世界を作り上げている「理(ことわり)」のようなものであると感じました。
その理とはモノとモノとの物理学的な関係性だけにとどまらず、出来事の因果や運命といったものも含まれるもののように思います。
そしてその理を感じることができ、そしてそれに何かしら影響を与える力を持っている者が、「スター・ウォーズ」世界においては、ルークなどの「ジェダイ」であると言えるでしょう。
しかし、フォースを扱える者=「ジェダイ」であるわけではないということです。
これも個人的な解釈になるのですが、「ジェダイ」という存在は武道で言う所の「○○流」といったような意味合いであると思います。
フォースを正しく扱う力を身につける技術体系を継承していく流派が「ジェダイ」ということではないでしょうか。
師匠と弟子という関係性でジェダイという組織が成り立っているということもその考えを補足すると思います(Ⅰ〜Ⅲなどの過去作で「ジェダイ」が和風テイストであったのも武道の一流派というイメージを想起させます)。
ルークが「ジェダイが滅びることでフォースがなくなることはない」と言った意味はここにあると思います。
あくまで「ジェダイ」は「フォース」を正しく扱う一つの流派な訳です。
「ジェダイ」の対極にあるのが「シス」というわけですね。
「シス」は「フォース」を暗黒面で使う流派というわけです。
「スター・ウォーズ」シリーズはⅠ〜Ⅵまでいわばスカイウォーカー家の歴史とも言える物語となっています。
そのためにスカイウォーカー家の者が「フォースを操れる者」の第一人者というイメージが強くなっていますが、決してそうではありません。
マスターヨーダとか、オビワンとかもスカイウォーカー家ではないですから。
今回、新たな3部作の主人公であるレイがスカイウォーカー家と縁もゆかりもないことが明らかになりました。
それはそれで衝撃的な事実ですが、それゆえに「フォース」がスカイウォーカー家の特別な力ではないということが明らかになりました。
それゆえに「スター・ウォーズ」シリーズはスカイウォーカー家の縛りから解き放たれたとも言えます。
今後新たに「ジェダイ」に変わるライトサイドのフォースの力を操る者が登場してくるかもしれません。
物語の世界が一気に広がり、スピンオフなども作りやすい環境になったと思います。
スペースオペラ作品としては、前回の「フォースの覚醒」の方が上だった感じがします。
今回はルークの話、レイの話、反乱軍の話など複数の物語が並行して語られるので、仕方がないかなとも思うのですが、スペースオペラ映画としての爽快感は前作に及ばない感がありました。
とはいえ、上記のような「フォース」についてしっかり語られることも今まではなかったので、「スター・ウォーズ」シリーズとしては重要な節目の回であったと思います。
ルークの最後も穏やかで良かったと思いました。
彼が最後を迎える星では太陽が二つあり、一つが雲に隠れ、もう一つが雲から現れるという描写がありました。
これはルークの時代が終わり、それをレイが引き継ぐことを暗示しているのでしょう。
彼にフォースが共にあらんことを。
| 固定リンク
コメント