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2017年8月22日 (火)

「劇場版 仮面ライダーエグゼイド トゥルー・エンディング」 大切な人のためにできること

現在放映中の「仮面ライダーエグゼイド」の単独映画です。
テレビのほうは来週(8/27)に最終回を迎える予定ですが、その前後にまたがる形での劇場版を公開するという珍しい状況になっています(例年は9月末がテレビの最終回でした)。
今まで「仮面ライダー」の劇場版は公開がテレビ本編終了の直前であることが多いことから、テレビの展開との整合性を避けるためパラレルワールドとかアナザーストーリーという設定であることが多いのですが、本作は「トゥルー・エンディング」とタイトルにあるように、テレビ本編と地続きの世界観となっています。
時系列としてはテレビ本編の最終回の1年後という設定のようです。
この劇場版で特徴的なのは、映画に登場する少女まどかが小児脳腫瘍になっており、余命がないかもしれないという設定でしょう。
テレビシリーズ「仮面ライダーエグゼイド」は医療とゲームをモチーフとして作られている作品です。
医療を題材としていますが、テレビシリーズは基本的に子供たちを対象にしているため、直接的に「死」というものを描いているわけではありません(なかなか難しい匙加減であったと思いますが)。
しかし劇場版ではあえて踏み込んで具体的に死を感じさせる病気を具体的に取り上げています。
まどかは手術が非常に難しい脳腫瘍を患っています。
そのような中、突如現れた仮面ライダー風魔は人々とまどかをVRゲーム空間に引き込み、そこで現実とは異なる仮想現実を作ります。
実は仮面ライダー風魔こそ、まどかの実の父親の南雲影成であり、彼は余命いくばくもないまどかが最後は苦しまず楽しい時を過ごせるように仮想空間を作ったのでした。
けれどもその仮想空間は他の人々の人生を犠牲にして成立しているため、仮面ライダーエグゼイドらはそれを阻止すべく戦い、やがて仮想空間はっ消滅します。
けれども消滅する仮想空間のなかで、まどかひとりだけはそこにとどまろうします。
彼女の病気は天才外科医である鏡飛彩の手術により治せるのですが、そのためには意識が現実世界に戻らなければなりません。
まどかは彼の実の父親が彼女のために仮想空間を作ったと知っており、父親が喜ばせるためにそこにとどまろうとしたわけです。
やり方が間違っているにせよ父親がわが子のことを想い、また子も親のことを想う。
テレビシリーズとは異なり死というもの間近に描き、そういう状況においても親と子がそれぞれに想い合うというところに、ほろりときてしまいました。
自分に子供ができたからかもしれません。
親が子供のためにすべてを犠牲にしても何かを行おうとする、そういうことを描く物語は今までもいくつも見たわけですが、それを頭ではわかっていても、子供がいなかったときはそれを実感として感じられていたかというと疑問です。
やはり実際に子供ができると、理屈を抜きにしてそのように子供を想うということが身に染みてわかるようになりました。
また子供からもそのように自分のことを想ってもらえたと感じられたとき、どんなに幸せな気持ちになるかということも。
「エグゼイド」という作品は登場人物が多く、物語も複雑なので、テレビシリーズも劇場版も表面的にはとっつきにくいところがあります。
またゲームという題材の側面からくるポップさ、トリッキーさみたいなところも目立つのですが、その根本は医療からくる命の大切さ、人々がそれぞれを想う気持ちにあるように思います。
大切な人のために自分は何ができるのか、ということ。
それが「エグゼイド」のテーマかなと。
そのテーマが強く出ていた劇場版となっていました。

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