「カーズ/クロスロード」 成長を見守る喜び
人気のピクサーのアニメ「カーズ」の第三作目です。
一作目はマックイーンが主人公で、二作目では彼の友人のメーターが主役。
今回の三作目では再びマックイーンが主役になっています。
三作目まで観ると、二作目はサイドストーリーのような感じに見えてきますね。
それで一作目、三作目を一つのシリーズとして見ると、マックイーンの人生の物語のように感じられます。
まるで「ロッキー」もしくは「スターウォーズ」を見ているような。
才能ある若者が自分の道を見つけられないでいるときに師に出会い、自分の進むべき道を見つけて栄光を勝ち取る。
しかし、その栄光は永遠には続かず、やがて若者も歳をとり、再び自分の進むべき道を決めなくてはいけない時期がやってくる。
そのとき才能ある若者に出会い、彼は自分の持っているものを全て教えようとする
「ロッキー」シリーズであれば、師はミッキーで、弟子はドニー(「クリード」)、「スターウォーズ」であるならば、師はヨーダで、弟子はレイになるでしょうか。
これは映画に限らず誰しもが直面する普遍的な話なのですよね。
自分の行く道に迷い、そしてまた退くときに迷う。
退くときに自分が身につけていた技術、知恵、または想い(実はこれが一番大切)というものを、後進たちに引き継げればいかに幸せか。
それはすなわち前線に立っていなくても、自分もそこにい続けていられるような気がするから。
この気分は自分でもわかるんですよね。
この歳になると、現場の仕事はなくなりマネージメントに仕事は写ってきています。
若手と一緒に仕事をしますが、彼らに自分の得てきたものをなんとか伝えたいと思うようになってきました。
それで彼らが活躍して成果を出せればとても嬉しいし、そういうことに喜びを感じることができるんだとも思うようになりました。
おそらくマックイーンもクルーズの中に才能を見つけ、彼女が成長して成果を出せることに喜びを感じられるようになったのでしょう。
ピクサーのアニメって、見た目は子供向けなのですけれど、それが描いている本質の部分はとても大人の心をがっちり捕まえるものになっているのですよね。
だから多くの人に見られる作品になっているのだと思いました。
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